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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
キャスター対策会議
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上手くいかないわよね。実体化していなければ狙撃は難しいし、キャスターの守りもあればアサシン自身も矢を打ち払うくらいしてきそうだもの」
「かといって他のヤツが相手してるあいだに狙撃ってのも無理だぞ。その点に関してそこの弓兵は信用が置けないからな」
「う……それについてはぐうの音も出ないわね……」
「実に合理的な判断だったと自負しているのだが」
「合理的過ぎて信用以前の問題だっつーの!」

 あの夜の出来事は忘れてないぞ。

 俺としても間違った判断だったとは言わないが、そのせいでアーチャーの心証は良くない。
 後ろにキャスターが控えている状況で、凛に首輪を掛けられていたとしても、最終的にこの弓兵がどういう行動を起こすかが不明だ。
 口に出して言ったわけでもないが、あの場面での共闘は暗黙の了解だった。それをまさかあんな形で崩してくるとは想像もしなかった。

 少なくともアーチャーを後ろに置くことに関して、全面的な同意を得ることは不可能だろう。

「アーチャー後衛が信用出来ないとなると、組み合わせがかなり限られてくるな……」
「そう? 私個人としては、前衛後衛に拘らなくてもいいと思うけれど」

 この作戦会議にて初めて口を開いたと思ったら、フェンサーから目から鱗な意見が飛び出した。

「え、前衛×前衛とかってことか?」
「後衛×後衛でもいいわね。アサシンを二人掛かりで倒す、一人が足止めしてもう一人が先にキャスターを倒す。アサシンの間合い圏外から魔術と狙撃で一方的に攻める等々」


 変則型としてセイバーフェンサーを前衛二人、アーチャーフェンサーを後衛二人に見立てる戦法か。

 片方の前衛がアサシンを足止めし、強力な対魔力を持つセイバーにキャスターを任せる。
 状況次第で二人掛かりでアサシンを先に打倒することもできる、非常に強力な組み合わせになる。

 フェンサーの魔術とアーチャーの狙撃で、アサシンを一方的に狙い撃ちにする。
 いざとなれば白兵戦も出来る両者に、おそらくアーチャーの物理狙撃は柳桐寺の結界でも無力化できまい。
 ただ寺院内は無人ではないはずなので、境内に被害を及ぼしたくない場合は内側を狙撃するのは最終手段かもしれない。

「そうね……黎慈、キャスターの件は一旦私に一任してくれない?」
「おいおい、ここまで色々話し合った上で手を出すなってのか?」
「昨日ね、衛宮くんとも話してキャスター打倒まで同盟延長になったのよ。一応あっちにも話はしないといけないし、本当なら黎慈とは不戦条約は切れてるからね?」

 語尾にいやなアクセントをつけつつ、凛はそう言った。

 現状交渉はしているが、俺より士郎の方が信用度は高いのだろう。
 その点について特に思うことはないはずなんだが、複雑な気持ちが
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