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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
キャスター対策会議
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の可能性だってある。学園のどの教室にも出入り可能で、生徒の把握もしやすい立場だ。

 万が一には、重症者の中にマスターが居るかもしれない。
 今まで魔術師であることを悟られなかった以上、被害にあった一般人を装っている事も考えうる。

「とりあえず、その軽症者を教えろ。俺も調べられる範囲で調べて、得た情報は全部提供するから」
「取引ね。けどあまり時間はないわよ。早くどうにかしないと被害者は増え続ける一方なんだから」

 凛から12人の名前を聞き、頭の中で名簿化した。
 この中で俺が調べやすいのは1年の一人が部活の後輩なのと、3年の2人が先輩だ。
 教師は藤村大河と葛木宗一郎。どちらもよく知る教師で、生徒からの評判も良好な二人。

 肝心の一成を含め6人。人数の半分ほどは調べることが出来る。

 一応調査可能な名前を告げる。
 残りは凛に任せておこう。自分の街だ、調べる手段は俺より多いだろうしな。

「OK、俺だけでも半分は絞り込める」
「そう。それじゃ次はキャスターと戦う場合の方針と施策について」
「サーヴァント二人も、ここからは口を出せるぞ。思ったことあれば言ってくれ」

 ここまでマスターの会話に黙していたフェンサーとアーチャーも、同じサーヴァントのキャスターに対する話なら参加できる。
 運よくマスターを特定出来れば幾らかの戦略も立てられるが、最悪の想定としては篭城戦前提の相手に挑まなければならない。



 俗に攻撃三倍の法則というものがある。

 攻撃側は防衛側の3倍の戦力を要するといった、戦争で培われた兵力比率の戦術論。
 その正確性は人員数、火力指数、戦線動態や勝利条件によって変わるものの、攻撃側は防衛側より多くの戦力を必要とする前提があるのだ。

 サーヴァント同士の聖杯戦争に単純に当てはまるとは思わないが、攻防条件が固定であれば1対1では敗北必至。
 ましてや敵は一人ではなく、セイバーとアーチャーを退ける白兵戦に長けたアサシンに固定砲台となるキャスターが存在する。

「戦闘になることを見越した場合、こちらの戦力も最低二人必要だと思う」
「そうね。あっちがサーヴァント二人なんだから、こっちも最低二人じゃないと話にならない」

 抗するには少なくとも前衛一人、後衛一人の二人のサーヴァントが必要だ。
 セイバー、アーチャー、フェンサーを候補に考えるなら組み合わせは幾らかある。

「クラスの印象を覆すが、あのアサシンの白兵戦に長けてるだろ? 逆にマスターを直接狙われる危険はなさそうだが……」
「そこについては同意しよう。一度手合せしたが、アレはこちらの手数を全て剣技のみで凌いだ。こちらも本領を見せてはいないが、真っ向勝負は避けるのが無難だな」
「遠距離から狙い撃ち……も
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