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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
キャスター対策会議
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仕業かと考えていたが、それは慎二とライダーの仕掛けたものだった、が。

 慎二にマスターの気配はなかったのに、学園内には魔力跡が残留していた。
 それはつまり別のマスターが、もう一人学園関係者の中に居ることになる。

「学園でキャスターと対峙した時、近くにマスターは居なかったのか?」
「忙しくて精密に探査したわけじゃないけど、十中八九居なかったでしょうね。キャスター自身が影だったんだからきっとマスターも退避済みよ」
「それなら話は簡単だろ。あの状況下でほぼ軽症に近い奴を洗い出せばおのずと足は掴める」
「そこはちゃんと調べたわよ。1年生に3人、2年生に1人、3年生に6人と教師が2人」

 計12人。そこからマスターの可能性がある人物を絞り出すのは容易だ。

 一人ずつ面会でも出来れば確実だが、生憎とそうはいかない。
 マスターである以上、俺や凛の事も知れているはず。易々とこちらの都合通りに出会えるわけがない。

「深刻そうな顔しなくても、もう目星は付けてるわ」
「え? マジで?」
「被害が一番酷かった2年生の中で唯一軽症だった一人……あなたもよく知ってる、柳桐一成がマスターよ」
「……………………は、え?」

 自信満々に言い放たれた名前はとても身近で、だがここで出て来るのは有り得ない名前だった。

 一成てあの一成だよな。鬼の生徒会長と名高き柳桐一成くんですよね?
 学園に同姓同名の人物は居ないので、まず間違いなくあの柳桐一成なはずだ。

 そんなまさか。俺も凛も中学の頃からの同級生だというのに、アイツがマスターだなんてにわかには信じがたい。
 というより魔術師であればとっくに気づいていたはずだ。であれば、一成は慎二と同じく魔術師ではないがマスターだとでも?

「その顔、全く信用してないわね」
「いやぁ、だってさぁ……無理でしょ。何をどう考えて一成だと断定したんだよ」
「柳桐寺関係者で唯一軽症だなんて完璧な状況証拠じゃない!」
「聖杯戦争前に状況証拠だけで犯人を断定するなと教訓を得なかったか?」
「う……じゃ、じゃあマスターじゃないって証拠出しなさいよ!」
「そんなもん今は水掛け論になるだろ。まずは確実に裏を取ってからじゃないと」

 たぶん手詰まり状態で完璧に近い答えがそれしかないから思い込んでるな。
 状況的に柳桐一成が一番疑わしく、9割方マスターである可能性があるのは同意だ。

 しかしそれを100%にしてからじゃないと行動するのは危険だ。
 柳桐一成が疑わしい分、キャスターの息が掛かっている可能性も高く、下手に手を出して一成の身に何かあってからでは遅い。

 逆に軽症者が多い3年生も疑わしいし、そう思わせて1年生に犯人が居る可能性だって捨てきれない。
 学園教師が犯人
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