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久遠の神話
第九十二話 百腕の巨人その十二
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「特に日本のものは」
「美味しいですか」
「日本の味は繊細ですね、缶詰にしても」
 今は缶詰のものは食べていない、しかしあえてこう言ったのである。
「お酒にもよく合います」
「このピーナッツや胡桃も」
「はい、ナッツ類も」
 それもだというのだ。
「いい味です」
「そうですね、それでは今は」
 大石はコップの中のワインを飲み干した、そして自分で注ぎ込みまた飲みながらそのうえでこう言うのだった。
「こうしてです」
「共に飲むのですね」
「おつまみも多く買ってあります」
 見れば出されているナッツ類やチーズ等は結構ある、用意されている酒も多いがそちらも充分過ぎる程の多さだ。 
それでだ、こうコズイレフに言うのだった。
「どんどん飲んでいきましょう」
「そして食べて」
「はい」
 コズイレフも頷く、そしてだった。
 実際に飲み続ける、それで言うのだった。
「急にです」
「温まってきましたか」
「はい」
 酒のお陰でだ、そうなってきたというのだ。
「やはりお酒はいいですね」
「何につけてもですね」
「ええ、本当に」
 身体が温かくなってからだというのだ。
「これからです」
「そうですね、では」
「はい、お酒は味だけでなく」
「身体が温まるからですか」
「よく飲みます、いつも」
 そうしているというのだ、そしてだった。
 コズイレフはウォッカをさらに飲んでいく、また一口飲んで笑顔で言う。
「ただ、飲むのは」
「ウォッカだけでしょうか」
「他のお酒も飲みます。ですが」
「それでもですか」
「身体が冷えるお酒は」
 それはだというのだ。
「飲まない様にしています」
「身体を冷やすことはお嫌いですか」
「それは」
 酒といっても色々だ、身体を温めるものもあれば身体を冷やすものもある。コズイレフは冷やすものは飲まないというのだ。
「ビール等は」
「あくまで身体を温める為にですか」
「飲んでいます」
 そうだというのである。
「身体を冷やすことはしない様にしていますので」
「そうですか、では」
「今もこうしてウォッカを飲みます」
「ワインはどうでしょうか」
「ワインも好きです」
 それもいいというのだ。
「ワインもまた身体を温めますので」
「だからですね。では今度は」
「次の機会はですね」
「ワインを飲みます」
「そうされますね」
「はい、是非」
 こう言ってそしてだった、そのうえでだった。
 二人は今はそれぞれ別の酒を飲んでいく。しかしそれでもだった、
 次の機会は共に同じ酒を飲もうと誓い合う、そうしたのであった。
 コズイレフも戦いから降りた、彼はこのことに満足していた。彼は今はその酒を飲みながらそのことを心から喜ぶのだった。


第九十二
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