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久遠の神話
第九十二話 百腕の巨人その五
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「そしてゼウス父様に解放されたわ」
「キュクロプスと共に」
 このことはコズイレフも知っていた、ギリシア神話に名高い父と子の権力争いという神々の戦いの中の一幕だからである。
「ガイアの助言に基づいて」
「そう、そうしてね」
 そのうえでだったのだ。
「ゼウス父様は彼等を助けてその力を借りたわ」
「ヘカトンケイルとキュクロプスの」
「キュクロプス達は武器を作ったわ」
 神々の武器、それをだというのだ。
「その手にある技術で」
「後にヘパイストス神の助手となれるだけの」
 オリンポスの技術の神のだ、キュクロプス達は一つ目の恐ろしい姿だがその手に持っている技術と頭脳それに力はかなりのものなのだ。だからこそヘパイストスを助けることも出来たのだ。
「そしてその技術で」
「ゼウス神の雷等を作ったのでしたね」
「自分達を助けてくれたお礼としてね」
 作りそしてだったというのだ。
「大きな力となったわ」
「そうでしたね」
「そしてね」
 そのヘカトンケイルを見てだ、智子は彼の話もした。
「ヘカトンケイル達もね」
「その力で、ですね」
「オリンポスの神々を助けたわ」
 そうしたというのだ。
「彼等もまた」
「腕が百ありますね」
 巨体にだ、それに加えてだった。
「それで石を投げてでしたね」
「そう、無数の腕から巨大な石を投げたのよ」
 それがヘカトンケイルの戦い方だった、彼等はその百の腕から石を次々に投げティターン達にぶつけたのだ。
 そしてだ、それによってだったのだ。
「ティターン達を苦しめたわ」
「百の腕から放たれる巨な石ですか」
「ええ」
 まさにそれだというのだ。
「貴方達程の大きさの石が無数に。次々と放たれるのよ」
「その威力は相当ですね」
「怪力で以てね」
 これではたまらない、ティターン達でもだ。
「それでティターン神族を倒したわ」
「そしてティターンを倒した暁に」
「彼等は憎むべきティターンの監視役になったわ」
「自ら望んで、ですね」
「そう。タルタロスの番人になったのよ」
 このことはゼウスが命じたという説もある、どちらにしてもヘカトンケイル達は自分達を幽閉した者達の監視役になったのだ。
「神々を封じ込めるだけのね」
「力がありますね」
「それがこのヘカトンケイルを」
 まさに彼等だというのだ。
「強いわよ」
「それも相当にですね」
「ええ、そうよ」
 その通りだというのだ。
「だからこそね」
「敵にしてはですか」
「相当な強さよ」
「神々を封じるだけの」
「ええ、そうよ」
 まさにだというのだ。
「気をつけるのよ、五十の頭であらゆる場所を見てね」
「百の腕で攻めてくる」
「それが彼等よ」
 ヘカトンケイルだというのだ。
「私達でも
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