§36 智慧の女神はかく語る
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「あの時も、何故とどめの一撃をささなかった? 忌々しい酒神の力で妾の力を封じたあの時、貴方は妾を殺すこともできた筈だ」
当時ディオニュソスの権能を碌に掌握していなかった黎斗にとってはアテナを戦闘不能に出来た保証は全く無く、戦闘続行も不可能と判断して逃亡したのだが、アテナから見れば自身の力を封じ勝利を目前にしたところで消えたのだ。疑問に思うのも無理はない。
「……封印できてたんだ」
黎斗の漏らした呟きを聞き、アテナはようやく合点がいったとばかりに納得する。
「あぁ。そういうことか。古き王よ、貴方は妾を封印できている自信が無く、余力も無かったから逃亡したのか。安心しろ、封印は完璧だったぞ。妾が貴方の呪縛から解き放たれたのはつい最近だ」
最近解放された封印。なんか嫌な予感がする。
「……もしかしてゴルゴネイオンが関係していたりする?」
恐る恐る、といった黎斗に構うことなくアテナは告げる。
「当たり前だろう。貴方は何を言っているのだ? アレを用いて、ようやく妾は貴方の呪縛から逃れられたのだぞ」
アテナの被害に遭った皆さん、本当にごめんなさい。原因に僕一枚、噛んでました。
「うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
黎斗の絶叫が、夜の海に鳴り響いた。
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