第35話。使徒の殺意。
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ハハハ!なんて眼だ!?直死の魔眼!!使徒ですら切れるとは!!私は神の眼を手に入れてしまった!」
左手で持っていたバットを口でくわえ、左手で右腕を抑え、ドクドクと流れる血の止血を試みる。
「さすがにダメかと思ったが、残念だったな使徒よ。この城は、全て『式』で固定したある。それに今宵は満月だ。この地ごと消し去るなら別だが、私をいくら攻撃しても無駄だ!」
・・・・血の出は弱まったが完全の止血は無理だな。腹で手を拭い、口にくわえていたバットを手にする。
「直死・・だと?」
「そうだ!私と志貴はつながった共融した。この魔眼はそのためにある。フフッ、使徒といえど、その死の線を切られては生きていけないと言うことか。」
ニヤニヤとした表情でロアがこちらを見る。・・確か、違ったはずだ。
何かは忘れたが、ロアの眼は『直死の魔眼』ではなかったはずだ。
「死から帰って来たものは死を理解することが出来る。その中でも志貴は特異な存在だ。もし奴に転生出来たらそれはどれほどの能力になっていたか興味深くもある」
「・・・・一つ聞きたいことがある」
ニヤニヤと笑を浮かべた顔がさらに笑を深める。
「ほぅ。興味を持って貰えた。と言うことか、いいだろういいだろう。なんでも答えてしんぜよう。他でもない、使徒の望みだ」
「お前は、何故死徒になった?」
「死徒なった理由か。なるほど、至極簡単なことだ。『永遠』だよ。まぁ、その身に宿した魔力により、元から永遠なるモノである使徒に言っても分からんか。その価値が」
「分からん。分からんな。・・・・それは人の可能性を奪ってまですることなのか?」
「可能性?・・・・なるほど、人の可能性が私の『永遠』を可能にしたか。ハッハッハ!顔に似合わず、中々詩的なモノを云う。」
「・・・・救えん奴め。とことん救えんな。何故自分本意でしか物事を考えられん」
「救い?・・フッ、そういえば、志貴の奴が私を救うなどと言っていたな。いや、私じゃなく四季か」
クックック。と短い失笑をする。
「それにだ。何故他人のことまで考えなければならない?人は『我』があってこそ世界がある。」
・・・・なんとなく。分かった気がする。なんで、こんなにこいつを殺したいのか。
「真理を求める者に自己以外必要がない。その中で、他者を使うことを思いついた私は、素晴らしいと思うのだが?」
アルや、シエルや、シキがこいつに苦しめられたから、こいつが人を無闇に殺す死徒だから、俺は力を使おうと思った。
しかし、なんだこいつは?ただの外道ではないか。他者を貶める。他者を利用する。そんなことではない、他者を潰す行為。
更に、目的の『永遠』はゴールがない。つまりただ他者を潰し続
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