第35話。使徒の殺意。
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「仙人・・・・か」
人から外れたい。・・・・のは本当だろう。一人の少年を思い出す。
『ヒト』のままでは、人を救えない。しかし、『人』でなければ、人を救えない。
「・・何か今日は遠野らしくねぇな。」
「・・・・何が?」
「相変わらず疲れてボーッとしてるし、学校もサボリ気味。しかし、どうしてもやりたいことが出来たって顔だ。珍しいことに」
・・・・少し驚く。
「そうか?」
「おう。何年も遠野ウォッチングしてきた俺が言うんだ。間違えない。」
「・・・・気持ち悪いこというな。」
「ガキの頃のぶっ壊れた遠野にしては随分と熱くなったんじゃねぇの。」
「そうか?」
「ああそうともさ。今日は半ドンだからな。残りの授業が終わったら、何をしてるのかしらんが、まぁ頑張りたまえ」
そう言ってフラフラと去っていく有彦。
何を・・してるか・・・・か。何をしてるんだろうな、俺は。何をしたいんだろうな、俺は。
晋吾なら・・なんて言うかな?
・・そんなこと決まってるか。
自分で・・・・考えろ。
「志貴さま。」
「なんだい翡翠。」
「秋葉さまより今日は屋敷にいるようにとのことです。」
「・・そっか」
生返事をしながらいそいそと着替える。翡翠には悪いことするな。
「・・・・志貴さまは今日もお出かけになるのでしょか?」
「ごめん翡翠。・・数日戻らないも知れない。・・・・秋葉にもごめんって、いやこういうことは、自分で言わなきゃダメだよね」
翡翠はじっとこっちを見ている。
「みんなに心配かけてるって分かっているけどさ、どうしても友達・・いや、言い訳はやめよう。俺がしたいことがあるんだ」
「・・はい。お気を付けて行ってらっしゃいませ」
深々とおじぎをして送り出してくれる翡翠。
「そうだ翡翠。前にさ、いつでもこの家に居ていいって言ってくれたことあったよね。なんていうかさ・・・・ありがとう」
「志貴さま・・・・」
「行ってきます」
街を歩く。それこそ一日中気がふれたように歩き回った。
また夜が明ける。予感がする。こうすることで『救える』と・・・・
日が暮れる。すこし休憩しよう。つかれた体が諦めて帰れと訴えてくる。お前では無理だと。
それを一蹴して立ち上がる。また歩く。歩く。夜の闇が迫り、街灯が街を照らす。
するとふと、何かを感じた。その方に顔を向ける。
「・・・・・学校?」
校舎内に入る。廊下を歩く。すると、前から人の気配がする。
「・・・・」
「ようやく会えた。」
晋吾から授かった『眼』をつける。そし
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