暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第69話 笑う棺桶
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誘惑、さらには洗脳し狂気的なPKに走らせたのがこの《PoH》だった。



「WoW………。確かに、こいつはでっかい獲物だな。DDAのリーダー様じゃないか」

 PoHの表情はフードに隠れて見えない。それが一段と不気味にさせられる。

「さぁて、イッツ・ショウ・タイムっと言いたいことだが……どうやって遊ぼうか?」
「へへっあれ! あれやろうよヘッド!」

 即座にジョニー・ブラックが甲高い声で陽気に叫んだ。

「《殺しあって生き残った奴だけ助けてやるぜ》ゲーム。まあ、この三人だとちょっとハンデつけなきゃっすけどね〜」
「おいおい、ンな事言って、お前この間結局残った奴も殺したろうがよ」
「あ、あーっ!それ言っちゃゲームにならないっすよ!ヘッドぉぉ……」

 それはまるで緊張感がないやり取り。だが、その内容はおぞましいものだった……。
動けないシュミット。その鎧は確かに現時点で高レベルの《フルプレートアーマー》だ、生半可な攻撃は一切通用しない。

……だが、PoHの装備しているそれは現時点での最高レベルの鍛冶職人が作成できる最高級の武器を上回る性能を持つモンスタードロップによる武器。そう……《魔剣》と呼ばれるものだ。

 その魔剣と呼ばれる武器ならば、そのシュミットのアーマーを容易く貫くことができるのだ。
そして、何よりも動けない以上、抗う術が全く無いのだ。

 その凶刃を手に持ち近づくPoH。それに続いて……ザザ・ジョニーが続く。

 シュミットは、死が近づいてきたのを感じた。

 だが、その時だった。

 主街区の方向から一直線に近づいてくる白い燐光だった。小刻みに上下する光が闇夜に溶ける様な漆黒の馬の蹄をつつむ冷たい炎であると見て取れたのは数秒後だ。
 馬の背には、これも黒一色の騎手の姿がある。その姿を見た笑う棺桶のメンバーは皆、数歩下がる。
その直後、いっぱいに手綱を引いていた騎手。その後は格好良く、着地するものと思われていたのだが……。

 馬から飛び降りるのを失敗して、思いっきり尻餅をついていた。

 それと同時に、「いてっ!」っと毒づいていた。何とも格好のつかない姿だが、とりあえず、彼は腰を摩りながら立ち上がった。次いでヨルコとカインズを見て緊張感の無い声を出した。

「ぎりぎりセーフかな。ここまでのタクシー代はDDAの経費にしてくれよな。あの馬は馬鹿高いんだ」

 この世界アインクラッドには所持アイテムとしての騎乗動物は存在しないが、一部の町や村にはNPCの経営する厩舎があり、そこで荷物を運搬する為の牛などが借りる事ができる。だが……乗りこなすのにはかなりの高度なテクニック要する上にその使用料金は馬鹿高い。だから、使おうとする者はそうそうはいない。
 シュミットは
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