第四幕その十
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「私はこの世で一番綺麗だから」
「何かビーナさんも猫さんも」
「そうよね、他の人達もだけれどね」
恵梨香とカルロスが二人でお話します。
「ボームさんが書いていた通りの」
「そのままの人達よね」
「私達はそれぞれ自分を出しているだけよ」
「隠すことなくね」
ビーナと猫はその二人に言いました。
「嘘は吐かない主義だから」
「そうしているだけよ」
「ボームさんもその私達をそのまま書いているから」
「あの人はとても正直な人だからね」
「今も王室の歴史編纂室で書いておられるわよ」
「とても熱心にね」
「ボームさんはお仕事をしておられるのね。それじゃあね」
どうかとです、恵梨香は二匹のお話を聞いて考える顔になって言いました。
「ボームさんのお仕事を邪魔したらいけないから」
「そうね、ボームさんにお会いすることは控えておきましょう」
ナターシャも恵梨香に応えて言いました。
「今はね」
「ええ、そうしましょう」
「それじゃあ今は」
どうするかといいますと。
「オズマ姫にお会いしましょう」
「ええ、そうね」
それがいいとお話します、そうしてかかし達の案内を受けて宮殿の奥へと進んでいきます、けれどここでなのでした。
今度はです、大きなライオンと虎が出て来ました、その見事な鬣を持っているライオンと大きな虎を見てナターシャが言いました。
「臆病ライオンさんと腹ぺこタイガーさんですよね」
「うん、そうだよ」
「その通りだよ」
二匹はすぐに答えてきました。
「僕が臆病ライオンだよ」
「それで僕がその腹ぺこタイガーなんだ」
「そうですよね」
「うん、けれど君達はじめて見るね」
「それにとても変わった服を着ているね」
二匹の動物は五人の服も見て言います。
「ドロシーが最初に着ていた服ともまた違うし」
「どの国から来たのかな」
「ドロシーと一緒だよ」
かかしは二匹にもこうお話します、その後のこともです。二匹もそのことを聞いて納得してそのうえで言うのでした。
「そうなんだ、かかし君のお友達なんだ」
「もうそうなったんだ」
「うん、そうだよ」
木樵もそうだとです、二匹にお話します。
「僕達はあちらの世界から戻った時にね」
「この子達に会ってなんだ」
「そこからずっと一緒なんだね」
「そうだよ。いい子達だから」
それでだというのです。
「安心してね」
「うん、ノーム王みたいなことをしないならね」
「僕達は大歓迎だよ」
彼等にとってはです、ノーム王はまだ忘れられません。何しろ何度もオズの国に危害を加えようとしてきた相手ですから。
けれど五人はノーム王とは違います、だからです。
「いいよ、じゃあね」
「オズマのところに行ってもいいよ」
「オズマのお部屋はもうす
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