旧友とお菓子
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「お久しぶりですね、先輩」
指定された店の前にいたのは、俺と関わりの深い一人の少女。
「久しぶり、レナ」
しっかり物のお姉さん、目の前の彼女を一目見て判断するとそんな感じだろう。実際は正反対だが。身長は俺より頭一個小さく、この世界で唯一自分で容姿を変えられる髪を、ロングヘアーで伸ばしている。
「一体何の用だ?メッセージにも、ただ集まれとしか書いてなかったんだが?」
「集まれ、じゃなくて集まれますか?、ですよー。それじゃ、私が来るのを強制してるみたいじゃないですかー」
「大差変わらんだろうが」
ひどいなーと言いながらも笑っている彼女は、昔からこういう細かいところでうるさい。それが、彼女の美点でもあり欠点でもあるのだが。
「立ち話もなんなんで、どうぞ」
レナが店の扉を開けて中へと勧めてくる。レナは生産職プレイヤーで、ここは彼女の店だ。レナの後に続きながら、ここに来てから、一言も喋っていないシリカを先に中にすすめる。
そこでようやくレナがシリカに気づいたようだった。
「ええっ!先輩がかわいい女の子連れてる!!何時の間に!?」
「やっと気づいたのか。それに、最初っからいただろうが」
「先輩。犯罪はいけませんよ、こういうのは両者の同意があってこその・・・」
「違うからな!!今の俺のパーティメンバーだから!」
レナとこんなバカなやり取りをするのにも慣れた。
「な〜んだ、早く言ってくださいよ。だから先輩は・・・」
「お前の勘違いだろうが。ちょっとは話を聞け」
「今のねぇ・・・。で、彼女は?」
今までの応酬についていけなくて、固まっていたシリカに向き直る。
「彼女はシリカ。さっきも言ったが俺の今のパーティメンバーだ。メンバーって言っても、俺とシリカしかいないけどな。あと、この前オーダーメイド頼んだのは、彼女のだよ」
俺は《今の》というところを強調して言った。
「シリカちゃんかー、よろしくね!こんな先輩だけど根はいい人だと思う・・・から」
「おい、何だその間は!さらに思うだけかよ!」
ここでやっと処理が追いついたのか、シリカがはじめて口を開いた。
「あ、よろしくお願いします。えっと、あの、レナさん?」
「あー、私の名前はセレーナ。先輩が言ってるようにレナでいいよー。みんなそう呼んでるし。あと、敬語もいらないよー」
「そうだぞ、こいつに敬うところなんて無いから」
「ちょ、先輩、ひど!少しは後輩に対する優しさって物があっても」
「ふぅん、お前にやさしさねぇ・・・」
「何ですかその表情は!!」
いや、別に?ナンデモナイヨ?
レナの説明に茶々を入れつつ、話を元に戻そうとするが・・・
「いやー、同年
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ