『第二十九話』〜決戦〜
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拓斗side
アルフを引き取り、翌日の早朝。俺達は公園に訪れていた。
そこで、俺達以外の魔力反応を感じ、意識を向ける。
[(拓斗…この魔力……)]
「(あぁ…分かってる……)」そこにいるんだろ……フェイト」
「……さすがだね、拓斗」
やがて、バリアジャケットを纏ったフェイトがゆっくりと現れた。
「フェイト! お願いだ! もうやめよう! 拓斗が、拓斗が全てにけりをつけてくれる。だから!」
アルフが涙を流しながら訴える。これでこちら側についてくれれば俺としては嬉しいんだけどな。
「それでも…私は母さんの娘だから……」
しかし、悲しげな表情を浮かべながらフェイトは拒絶した。それだけの思いを持って母親を愛するか。
「拓斗。いっしょに、私と一緒に来て」
「……お前、今、何を言っているのか分かってるのか?」
俺に手を差し伸べながらフェイトが言った言葉に俺は驚いた。
「母さんがいってた! 拓斗は管理局にこき使われているんだって! このままほおっておいたら、拓斗が死んじゃうんだって! 私は、私は拓斗がいないなんてそんなの嫌!!」
なるほど、人の一番弱い部分をつくか。
それで直接俺を誘い出して始末するといったところか、しかもプレシアとフェイトを利用して。一体どこまで俺を腹立たせれば気が済むんだろうなアイツは。
「だから拓斗。今度はわたしが助ける番。いっしょに来てくれれば私が護ってあげるから、だからお願い!」
「フェイト……」
どうする? いっその事、このまま乗り込んで直接始末するか? そうすれば俺だけで事足りる。だが……
「ダメだよ!」
すると、後ろからなのはとユーノが現れた。
「なのは?」
「拓斗君。ここは私が!」
そう言うなのはの目には決意が宿っていた。
「いいのか?」
「うん。だって、拓斗君だけに全て任せるわけにもいかないからね。私だって拓斗君が大切だもん」
そう言って微笑むなのは。
…そうだな、忘れてた。今の俺は一人で戦っているわけじゃないんだ。なのはにユーノ、頼もしい仲間が二人もいたんだな。
「分かった」
そう言って俺は下がった。
「…なのは、どういうつもり? 私は拓斗を助けるんだ」
俺に話した時と違って、とても冷たい声を放つフェイト。対するなのはは一瞬悲しげな顔をしたが、すぐに表情を戻した。
「フェイトちゃん、少しお話ししない?」
「話す必要なんてない。私は、拓斗を助けて、母さんの笑顔を取り戻すんだ。邪魔をしないで」
そう言ってフェイトは
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