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魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
『第二十九話』〜決戦〜
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「大丈夫だよフェイトちゃん」


 なのはが私の頭を優しくなでてくれた。


「拓斗君は怒っていないよ。だから許すも許さないも無いし、それに……ほら」


 なのはが指差す方に目を向けると、心配そうにこちらを見ている拓斗と目が合った。


「大切に思っていない相手にあんな心配そうな顔はしないよ。ね? だから大丈夫」

「うん…うん……」


 拓斗が私を大切に思ってくれている。それが嬉しくて、嬉しくて、涙が止まらなかった。


「もう…泣かないでよフェイトちゃん」

「だって…嬉しくて……」

「なのは! フェイト!」

「あ、拓斗君」


 拓斗がバリアジャケットであるマントをなびかせてやって来た。


「た、拓斗……」

「フェイト……」


 なのははああ言ってくれたけど…こうして向き合うとやっぱり不安だ。もし…嫌われてしまったら……


「…無事でよかった」

「えっ?」


 いきなり拓斗が私を抱きしめてきた。暖かい……じゃなくて!!


「た、たたたた拓斗!? 何を!?////」

「よかった……心配したんだからな」

「拓斗?」

「アルフから全て聞いた。また心配かけてやがって、俺をストレスで胃に穴を空ける気か?」

「あっ……」


 拓斗は、本当に心配してくれたの? 貴方の気持ちを裏切ってしまった私を……?

「ご、ごめんなさい……」

「もういいよ」

「ごめんなさい…ごめんなさい、ごめんなさい……」


 それから私が落ち着くまで、拓斗は私の頭をなでてくれた。











「ありがとう、拓斗。ゴメンね服汚しちゃって……」

「いや、フェイトのためならこれくらいどうでもいいさ」

「あ、ありがとう////」

「それじゃあ、なのはにジュエルシードを」

「うん、なのは、デバイスを……」

「わかった」


 なのはにジュエルシードを渡そうとしたその瞬間、いきなり拓斗がなのはと私を抱き寄せる。直後、私達に向かって紫色の雷が降り注いできた。


「な、何!?」

「我求むは嵐! その荒ぶる力で全てを流し 我等を護れ! 『嵐導(ストームリード)』!!」


――ギィィィィィィィィン!!!


 目に見えるほどの暴風が私達の周りに現れて、雷を防ぐ。障壁と雷がぶつかり合う光で視界が真っ白になった。やがて、光が収まり、暴風が消えた。


「…なるほど、そう言う事か」

「え?」

「今のはただの目くらましということだ」

「な、何がどうなったの?」

「フェイト、ジュエルシードは?」

「え? あ、あれ
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