『第二十九話』〜決戦〜
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は既に場所を知っているからな。
どちらにしろ、全員でプレシアの所に向かうその時が、今回の事件の真の黒幕と決着をつける時だ。
フェイトside
始めの方は互角だったのに、今では完全に防戦一方。桜色の魔力弾が大量に迫り、私の接近を許さない。
「くっ!!」
一瞬でも動きを止めると砲撃が飛んでくる。遠距離からの攻撃はあっさりと防がれ、避けられ、潰される。スピードでは明らかに私が上。今までその速度を生かして接近戦を挑んできたけど、今のなのはは私のスピードに反応し、私の攻撃を防ぎ切る。
「(どうして? 少し前までは私のスピードに全くついて来れていなかったのに!?)」
それに接近戦にも慣れている。これほどの魔導師なんて……いた。
そう、身近にいた。なのはと私の近くにいる最高にして最強の魔導師が。
「(拓斗だ! 拓斗に教えてもらったんだ!!)」
私より速くて、なのはに教えられる人間なんて彼以外に思い付かない。それに、拓斗は接近戦も私より全然強い。そんな拓斗と模擬戦すれば嫌でも私みたいな戦い方をする相手に慣れるはずだ。
「(…ずるい)」
なのはは拓斗の幼馴染…
「(ずるい)」
いつも拓斗と一緒……
「(ずるい!!)」
困った時はいつも拓斗が助けてくれる………
「ずるいよ!! なのは!!!」
なのはside
「……い」
「え?」
フェイトちゃんが何か言ったけど、なんて言ったんだろう。
「ずるいよ!! なのは!!!」
突然大声をあげ、動きを止めたフェイトちゃんに驚いて私も動きを止めてしまった。
「な、何がずるいの!?」
フェイトちゃん、何言ってるの!?
「いつもいつもいっつも、拓斗はなのはのそばにいる! いつも拓斗が護ってくれる! それに私のスピードに追い付いてるのも拓斗のおかげなんでしょ!?」
「そ、それは……」
「私だって…私だって! 拓斗に護ってもらいたい! ずっと一緒にいたい! だから拓斗を連れて行くんだ! 邪魔しないでよ!!」
「……ムッ」
話を聞いていると、段々ムカムカしてきた。
フェイトちゃん。それは自分勝手っていうんだよ?
「…そう言うフェイトちゃんだって、拓斗君に色々やってもらってるじゃない」
「え?」
「拓斗君に傷を治してもらったり、暴走体から助けてもらったり…頭をなでてもらったり……私だってしてもらったことないこといっぱいしてもらってるの!」
「そ、それは……」
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