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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
07.舞威媛の襲来
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く弱い。よっていつもなら遅刻常習犯なのだが、今日は目を覚ました。
それは、隣の一室が朝から騒がしかったからである。
「朝から騒がしい奴らだな」
睡眠を邪魔された苛立ちを表情に浮かべながら昨日の出来事を思い出す。
ディミトリエ・ヴァトラーがこの絃神市に来た理由は、第四真祖たる古城に会いに来た。それだけではやはりなかった。
黒死皇派と呼ばれる過激派がこの絃神島で真祖を殺す手段を手に入れようとしている、クリストフ・ガルドシュがテロを起こそうとするらしい。
そこから雪菜が黒死皇派の残党を確保しだすと言い出し、ヴァトラーは、古城の伴侶にふさわしいのか、見極めさせてもらうよ、と謎のバトルを繰り広げ、古城たちの深夜の会談は、終わりを告げた。
彩海学園高等部の職員室棟校舎──
学園長室よりも偉そうな見晴らしのいい最上階に、彩斗、古城、雪菜は訪れていた。
分厚い絨毯にいかにも高級そうなカーテン。年代物のアンティークの家具。天蓋付きのベット。
「那月ちゃん。悪い、ちょっと教えてもらいたいことがあるんだけど」
分厚い木製の扉を開けて、古城が入り込んだと同時に、
「ぐおっ!?」
古城は謎の声を上げながら仰向けに転倒する。
「せ、先輩!?」
「古城?」
苦悶する古城を慌てて雪菜が抱き起こす。
部屋の奥から冷ややかに見つめていたのは、黒いドレスを着た幼女にしか見えない童顔の小柄な自称二十六歳の英語教室、南宮那月だ。
「私のことを那月ちゃんと呼ぶなと言っているだろう。いい加減に学習しろ、暁古城」
国家攻魔官の彼女の部屋を訪れたのには、昨日のヴァトラーとの夜会で黒死皇派のことを調べるなら国家攻魔官の那月に聞くのが妥当であろうと考えたのだ。
「クリスト・ガルドシュって男を捜しているんだ。なにか手がかりがあったら教えてほしい」
その瞬間、那月の雰囲気が一変した。
「おまえたち、どこでその名前を聞いた?」
彩斗は、間もあけずにいつもの気怠そうな感じに答えた。
「蛇遣いだよ。いまあいつは絃神港に停泊しているんだよ。それで昨日、そいつに粗めの歓迎をされてな」
那月は、ちっ、と舌打ちをする。
「そうか……あの蛇遣いの軽薄男か。全く余計な真似をしてくれる」
那月はヴァトラーを罵ったのちに話を戻す。
「それでガルドシュの居場所を聞いてどうする?」
「捕まえます。彼がアルデアル公と接触する前に」
那月の質問に、雪菜が即答する。その一言で、那月はおおよその事情を理解したようだ。
「無駄だ。やめておけ。ああ、アスタルテ。そいつらに茶なんか出してやる必要はないぞ。もったいない。それよりも私に新しい紅茶を
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