第二十話
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た。
「い、いらっしゃいませ!」
何故かいらっしゃいませを口ごもりながら、店主が出て来た……が。
ピンク色のフワフワしてそうな髪にエプロン姿であり、とても鍛冶屋には見えなかった。……アスナのメールにあった、『見たら驚く』とはこのことか。
……まあ、アスナがオススメして来た店だ、腕は確かだろう。
「この日本刀……いや、カタナか……の強化を頼みたいんだけど、《丈夫さ》用のインゴットはあるか?」
このSAOには、強化パラメーターに五つの要素がある。
《鋭さ》《速さ》《正確さ》《重さ》《丈夫さ》の五つだ。
その中で、俺は《鋭さ》と《丈夫さ》を優先して鍛えていた。
理由としては、《正確さ》はプレイヤースキルで補うことが可能であり、《重さ》は上げると、レベルアップが日常的に出来ない俺の仕様上、要求筋力値を満たせない可能性があるためだ。……《速さ》は、《重さ》を上げていない分、軽いので速さは補える。(まあ、少しは上げているが)
そして、折れたら身も蓋もないために……いや、PoHに前の愛剣を斬られた為に《丈夫さ》と、切れ味命の武器として《鋭さ》を上げている。
まあ、ここで問題が一つある。
先程挙げた各パラメーターを上げるには、《添加物》と呼ばれるアイテムが必要であるのだが、俺は《丈夫さ》を上げられるインゴットを持っていない。
……いや、《銀ノ月》を作った時に使ったインゴットが堅すぎて、並みの《添加物インゴット》では耐えられない、というのが正しい。
このままでは、強化がこれで終わってしまうのだが、一縷の望みをかけてアスナ紹介の《リズベット武具店》に来たわけだ。
目の前の少女店主(便宜上こう呼ぶ)も、自らの品揃えに自信があるのか、「ふふん」と小さく自慢気に笑いつつ、アイテムストレージを操作して、大量のインゴットを近くにあった机の上に並べた。
自慢気になるだけあって、素人眼から見てもなかなかに上質そうなインゴットが並ぶ。
試しに、一番高そうなインゴットを手にとって見てみる。
俺は《鑑定》スキルを上げていないので、このインゴットの名前ぐらいしか表示されないのだが。
「そのインゴットは、ウチにある中で一番のインゴットでして……」
やはりこのインゴットが一番か。
裏切って欲しかった予想が、当たってしまったことに落胆を感じながら、その一番いいインゴットを机の上に置いた。
「多少値が張りますけど……」と、話を続けている少女店主の話を聞き流して、自分の用件を手短に告げることにした。
「悪いけどこの強化依頼、中断させてもらって良いか?」
「…え? な、なんで……!?」
少女店主が、訳が分からないといった様子で問いかけてくる。
「ここのインゴットは、確かに上
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