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八条学園怪異譚
第五十七話 成長その五
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「かなりのう」
「この学園全部って」
「滅茶苦茶広いですよ」
「そのこともあって地下迷宮なのじゃ」
「人さもあってですか」
「それもなんですね」
「迷路が難しくなる要素は二つある」
 一つではない、博士は迷路のそうした要素についてもここで話した。
「まず構造の複雑さ、そしてじゃ」
「広さですか」
「それもなんですね」
 二人も博士の話を聞いて頷いた、迷路というものにも広さが重要だというのだ。
「狭い迷路ならすぐに出られるな」
「はい、どんな迷路でも」
「狭いと」
 それこそ迷路の本、子供が遊ぶそれの一ページ程度ならだ。どんな複雑な迷路でも実に簡単に出られるものだ。
 それでだ、二人も言うのだ。
「簡単ですね」
「普通に出られます」
「そういうことじゃ、ゲームでもやけに広い迷路だとな」
 RPGの定番の一つである。
「迷うな」
「それで苦労したことが多いです」
「ドラクエでもウィザードリィでもですね」
 特にウィザードリィではだ、三次元方式の画面のゲームだと迷路が上から見られず主観に見るものになるので余計に難しくなる。このことはウルティマにおいても同じだ、このシリーズも迷宮は三次元方式だからだ。
「特にウィザードリィのシリーズの最後の方なんて」
「敵が急に強くなりますから」
「あのシリーズどういう訳かダンジョンの最後で急に敵が滅茶苦茶強くなりますよね」
「それこそ相当なレベルでないと勝てない敵が」
「それがあのシリーズの特徴じゃ」
 博士もこう言う。
「わしも苦戦してきたわ」
「博士もゲームされてるんですね」
「ウィザードリィも」
「ゲームも好きじゃ」
 実際にそうだと言う博士だった。
「頭の体操に丁度いい」
「ううん、多趣味ですね」
「学問だけじゃないんですね」
「ゲーム学もやっておる」
 このことも学問だった。
「実際な」
「ううん、そうですか」
「そんな学問の分野もあるんですね」
 二人はこのことも知った、博士の言葉から。
 そうしてだった、博士の話から迷路のことをあらためて言ったのだった。
「じゃあ今度の泉はですか」
「ウィザードリィなんですね」
「まさにそのままじゃ、通路と部屋でなっておる」
 あのシリーズのダンジョンと同じだというのだ。
「ただモンスターは出てこない」
「そりゃ出たら怖いですよ」
「一介の女子高生がバトルとか出来ないです」
「私達が出来るのってお店の仕事とかるた位ですよ」
「普通の女の子のことしか出来ないです」
 そんなことが出来る筈がないというのだ、戦うなぞ。
「忍者にはなりたいですけれど」
「アルケミストの魔法とか使えて」
「ほっほっほ、手裏剣を持ってじゃな」
 博士はウィザードリィのシリーズの忍者を象徴する武器
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