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渦巻く滄海 紅き空 【上】
二十六 黎明
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る」
「それ、女だぞ!」
「一刻を争うのに女も男もないと思うが」
袖から香燐の指をやんわりと引き剥がし、ナルトは困ったように答えた。だが香燐が気掛かりなのは別の事であった。
「そういう奴は裸見られたから責任とれって言うに決まってんだよ!!」
「それは君だけだろう…」
呆れたようにつっこみながら君麻呂は暴れる香燐を羽交締めにした。「全身を診るわけじゃない。病の原因は腫瘍と高熱なんだから」と、医務室に病人を連れて来た本人に宥められ、彼女はようやく一息入れる。

昂然と肩を聳やかして、残りの資料を取りに、隠し部屋へ向かう。不機嫌と背中に書いてある香燐に、君麻呂は深々と溜息をついた。願わくば香燐の機嫌がこれ以上悪くなりませんように、と内心願う彼だが、その思いは間も無く無駄に終わるだろう。


続け様にナルトが君麻呂を治療する事で、彼女は益々機嫌を損ねる事になる。だがそれを知る事が出来るのは今正に医務室の中で治療に専念している、ナルト本人に他ならぬのであった。


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