『第二十八話』〜束の間の平穏〜
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。目指すは当然あの女がいる地下室。積年の恨み、今こそ晴らしてやる!!
「プレシアァァァァァァ!!!!」
扉をぶち破り、その勢いのままムカつく面に向かって殴りかかった。
――ギィィィン!!
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
展開された障壁が拳を止めた。構わず力を込め、それを破る。
「アンタは母親で、あの子はアンタの娘だろ!! あんなに頑張ってるのに…あんなに一生懸命なのに……なんであんな酷いことが出来るんだよ!!!」
力の限り声をあげる。が、プレシアは無言であたしを見下すだけだった。
「娘に対して、なんで鞭打ちなんて酷い事出来んのさ!? ジュエルシードなんて危険なもん集めさせて、一体何するつもりだい!!!」
「……言いたい事はそれだけかしら?」
「なっ!? ぐふっ!!」
腹に手を添えられたかと思えば吹き飛ばされていた。それが魔力弾による攻撃だと気付いたのは壁に叩きつけられた後だった。
「はあっ…はあっ……」
気を抜けば意識を失いそうな中、プレシアへの怒りで意識を繋ぎとめる。
「…なんだい……なんなんだい。いつも、いつも、フェイトを心配して、ときには怒っていやったり、時には笑ってあげたり、時には心配してやったり、よっぽど……よっぽど拓斗の方がアンタなんかより家族だよ! それなのにあんたは!!」
そうだ、拓斗はいつだってフェイトを助けてくれた。守ってくれた。こんな場所でわけのわからない研究をしているこの女と違って。
「所詮あの子の使い魔、余分な感情が多過ぎる。あの子、使い魔作るの下手ね」
「……なんだと」
それはアタシにとってこれ以上無い侮辱だった。使い魔にとって主を馬鹿にされる、これを超える侮辱など存在するのだろうか。
「あの子は…フェイトは!! アンタに笑って欲しくて、優しいアンタに戻って欲しくて頑張ってんだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!」
せめて、せめて一撃入れなければ死んでも死にきれない! そう思いプレシアに近づく。
「…これ以上遊んでいる暇は無いわ……消えなさい」
プレシアがあたしに止めを刺そうとデバイスを振ろうとした瞬間……
「うっ……ゴホッ!」
突然咳込み、デバイスを落とした。
「血?」
見れば、プレシアの手のひらに血が付いていた。吐血したのかい?
「はあっ…はあっ……アルフ……」
アタシの名を呼ぶプレシア。その声は先ほどまでと違い、優しい声だった。
「あ…アルフ……は、はやく…ここから、逃げ…な、さい……私が…私でいる内に……」
なんだい……何を言
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