『第二十八話』〜束の間の平穏〜
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「ごめ…んな……さい」
「それに、あれだけの好機を持って、ただボーっとしているだけなんて。それにあそこにいた二人は敵なのよ! 何のんきにしていたの!?」
「ご、めんな……さ…い」
フェイトの声が小さくなるが、それでも容赦なく鞭の音が場を包む。
「なにが違うの! あの娘とあの少年、月詠拓斗は敵なのよ。それとも、私を裏切るつもり?」
「ち、違うよ! 私は!」
もういいよフェイト! なんでそんなにも、そんな女を!
「黙りなさい!」
――パシンッ
「うぐっ……」
「プレシアぁあああああ!」
もう我慢できない! よくも、よくもフェイトを!!
「来ないでアルフ!!」
「ふぇ、フェイト?」
「私が悪いの。母さんの言う通り、あの二人とは敵同士なのに、あんな風に話していた私が……」
悲しげにそう言うフェイト。
「フェイト、なのはが……拓斗が……本当に敵だと思っているのかい!?」
「………」
「フェイトの為に、ジュエルシードを渡してくれたなのはが! 命を救ってくれた拓斗が! 敵だって言うのかい!?」
「私は……」
――パシン!
「うあ!!」
「これ以上話す事は無いわ、あなたには罰を受けてもらうわよ」
再び鞭を振るうプレシア。
「止めろぉぉぉぉぉ!!!」
一発殴ってやらなければ気が済まない。そう思い跳びかかったが
「な!? しまった!!」
バインドで拘束されてしまった。その間もフェイトは痛めつけられていた。
「躾がなっていないわね、フェイト、使い魔の責任は主がとるのよ」
――パシン!!
「う、うぅ……」
項垂れるフェイト、どうやら気絶してしまったようだった。
「ふん……」
あの女は傷ついたフェイトを放置してそのまま地下の研究施設へと向かって行った。アタシはなんとかバインドを解除して急いでフェイトの下へ走った。
「ゴメンね、フェイト。アタシ下手糞だから、拓斗みたいに癒してあげる事ができないよ……」
流れる涙を拭いつつ謝るが、フェイトは応えなかった。その体を抱きしめると共に、怒りが込み上げて来た。
『聞いてよアルフ! 母さんがね……褒めてくれたんだ♪』
前にフェイトが嬉しそうに話してくれたのを思い出す。あんなに慕っている娘をあんな目に遭わせるなんて。
「あの女……よくも!!」
絶対に許さない。フェイトにしてきた事の十倍、いや、百倍の苦痛を味あわせてやりたい。
フェイトの体を優しく横たえた後、アタシは飛び出した
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