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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-14
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兄上? どうしたのだ、いきなり考え出して」
「ん? ああ、特に何でもない。気にしないでくれ」
「……そうか」
ラウラがいきなり黙って考え出した蓮に心配気に問いかける。特に話すことでもないため、蓮は誤魔化したが、ラウラはすんなりは納得してくれず不承不承、といった様子だった。
蓮は、蓮中心でほとんどの物事を考えているラウラに一抹の不安を持ったが、ラウラ自身がそれでいいのなら特に言うことでもない。彼女がいてくれるのならそれでいい。あまり人をもののように言ういい方は好きではないが、貴重な戦力である。彼女が亡国企業にいるからドイツ軍にいるシュヴァルツァ・ハーゼ部隊は、いるのだから。
ラウラが隊長であるから、あの部隊がいる。人数は30人弱と少数ではあるが、その分強者揃いだ。ドイツ軍からの指令の達成率は100%。そして、亡国機業からの指令の達成率も98%と高水準を保っている。ドイツからの指令はともかく、亡国機業からの指令はどれも難易度の高いものであることに間違いはないのだが、彼女たちは失敗しない。
隣を見れば相変わらずラウラがあのぬるま湯につかったようなISの実習を見て、業を煮やしている。そんな彼女に苦笑を漏らすしかない蓮。だが、蓮もラウラの気持ちが分からなくもない。確かにここにいれば、平和でいいところだ。何もなければ、日本に永住したいとも思う。
しかし、今の彼らにその言葉は不要なのである。この腐った世の中を是正する。クソッタレな各国の上層部たちを全員殺してやる。それが、今の亡国企業の最終目標なのだ。戦争、戦い、戦などと言えば聞こえはいいかもしれないが、所詮は殺し合いである。それが時間の流れとともに規模が拡大していっただけにすぎない。はるか昔の武士の時代の刀同士で斬り合うにほぼ等しいのだ。
今はまだ行動は起こせない。きっかけも戦力もないから。戦力に関して言えば、あとは時間の問題であろう。束が面白くするためだけに自分の妹にすぎた力である第4世代機のISを渡そうとしている。そのうえ束監修の元、そのISの劣化型量産機の製造に入っている。劣化とはいえ、今主流になりつつある第3世代とほぼ同等のスペックを持つ。若干スペック的に足りなくはあるが、そこは操縦者で補えるレベルである。問題ない。ちなみにこれらの第4世代機劣化型に乗るのは、ラウラの部隊である。
それに加えてアメリカ、イスラエルの合同研究軍用ISの《シルバリオ・ゴスペル》の略取も決まっている。操縦者はナターシャ・ファイルス。
ドプンと浸かりきっていた思考の海から出てきた蓮。ふと時間を確認するともう授業の終わりに近かった。ラウラは隣で相変わらず実習を見ているが、そろそろ片付けに入るところなのか先ほどのようにくいるようには見ていなかった。
「ラウラ、時間だ。戻る
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