暁 〜小説投稿サイト〜
Transmigration Yuto
陽だまりのダークナイト
Erosion Criminal Dragon
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特別視されていた。
 「ドラゴンよ……」
 爆発音が鳴り響いた。
 いや、その表現は誤りだ。確かに爆発音のような大音量の轟音が響いたのは事実だ。
 ドラゴンが―――咆えた。
 全てを吹き飛ばしてしまいそうな、物理的な破壊力さえ伴う魔剣のドラゴンが放つ咆哮。
 木々は軋み、大地は震える。
 ドラゴンがその巨大な刃塗れの腕を、前足を振るった。
 それで、(つい)
 ドラゴンを構成する無数の魔剣が放つ禍々しい魔のオーラが虎の獣人に牙を剥き、猛烈な殺傷力となって獣人の肉体を刻む。
 魔風が斬り、魔炎が焦がし、魔氷が凍らす。
 後には凍りついた歪な肉塊が残っていた。
 元の形がわからないほど切り刻まれ、焼き尽くされたかのように焦げ付いているが、中まで凍り切っている。
 悲鳴は―――聞こえなかった。悲鳴を上げることもなく死んだか、悲鳴は上がったが聞こえなかったか。
 どちらだろうと僕にはどうでもいいことだ。
 ただただ敵を打ち倒したことに対する達成感だけが、僕の中にあった。
 「おや、まさか自力で倒してしまっていたとは。それにこのドラゴンは……どうやら私が思っていた以上に、少年には才能があったようですね」
 いつの間にか、師匠の沖田総司が近くに立っていた。
 ……気配にすら気付かなかった。
 見れば、慌てた様子でリアス・グレモリーがこちらに近付いてきている。
 ドラゴンは、僕が禁手(バランス・ブレイカー)を維持できなくなったことによってバラバラに崩れ去って行った。
 ……いつか、使いこなせるようになりたいな。



 ―○●○―



 壊された墓標を師匠とリアス・グレモリーと共に直している中で、静かに師匠は言った。
 「少年、あなたは以前こう教わったと言いましたね。悪魔は人間を滅ぼす存在だ、と」
 あの釣りの時、そのようなことを僕は言った。
 師匠は盛られた土に新たな墓標となる剣を立てながら続ける。
 「私もね、転生したての頃は悩みました。人間を止めたこと、魔なる存在になったことを。その中で我が主、サーゼクス・ルシファーはこう仰いました」
 『自分で考えて欲しい。私は君にチャンスを与えたに過ぎない。どう生きてどう過ごすのか、それは君が決めるべきだ。ただ、たまに私の眷属として仕事を手伝ってくれないだろうか?その剣術が私にとって必要だと信じている。だが、もし君が人間の脅威になろうとするのなら―――主の私が責任を持って消滅させてもらおう。―――だがね、これも覚えておいて欲しい。悪魔も人間も天使も何もかも、滅んでいい種族などこの世に一つもないのだよ』
 師匠は続けて言った。
 「人間を滅ぼす悪魔になるかどうかは、自分次第と言うことです。無論、あなたも私もリアス姫もそうではないでしょう?」
 僕は
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