第百三話 一発は一発
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2連装グレネードランチャーを放ち距離を取った。
「ええい、この程度の攻撃で!」
煩わしいと感じる程度の攻撃だが、かといって無視するのも面倒であり、結局シールドで防ぐ。だが、防ぐように構えた瞬間を狙い、シンがパルマフィオキーナでビーム砲を放った。
『そこだッ!!』
拡散されたパルマフィオキーナのビームは威力が低下しているが躱すのも難しい。シールドでグレネードランチャーを防ごうと動きを止めた瞬間を狙ったが故に動きも膠着していた。そこに合わせる様にキラも使える射撃武装総てを放った。
落としたと言えるほどの確信はないが、全くダメージを受けていないとも考えにくい。そう思っていたのだが――――
「デスティニーの動きは他の機体に比べて機敏だという事を考慮に入れておくべきだったな……ニュータイプ専用機というのがここまでとは」
無傷、いや損傷が無いわけではない。だが、致命的なダメージは一切見られなかった。
『そんな、どうやって……』
「このナイチンゲールの武装は基本的に出力を自由に切り替えることが出来る。隠し腕のビームサーベルや腹部ビーム砲をシールドのように広く展開することで防いだだけだ。
さて、次はどんな手で私を斃そうというのだ?精々楽しませてくれたまえ」
その言葉と、圧倒的な差に彼らは絶望を感じさせられた。
◇
「痛ッ……!」
アラートが鳴り響きながらスパークを起こしているコックピット内でクラウはあまりの五月蠅さに目を覚ました。
『搭乗者の意識が再稼働しました。ユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。直ちに使用を停止してください』
「うるせぇ……鬱陶しいんだよ。黙ってろ――――」
コックピット内で永遠と異常を知らせる警告が続けられているのを煩わしく思ったクラウは画面を殴りつけて無理矢理AIを黙らせる。
意識が白濁としている。一から順番にクラウは何があったのかを思い出していく。シンやキラとの戦闘、メサイアの爆発、そして敗北――――最後に残っている記憶は胸部を撃ち抜かれた所だ。
「腹部を撃ち抜かれなくて助かったという事か……だが、上半身が半分以上機能停止してるな」
このゲルググのコックピットの位置はC.E.で主流となっている胸部ではなく、腹部の円状の部分だ。だからこそ、彼は議長に胸部を撃ち抜かれたにも関わらず生きていた。
それでも、腹部と胸部は近い位置にあり、胸部は別に空洞というわけでもなく大量の精密機械が存在している。その胸部を撃ち抜かれたことで機体の多くの機能が停止し、更にコックピットも間接的な被害を受けていた。
「あー、何すりゃいいんだっけ……」
ふと体を見てみると自分の体から多くはないものの血が流れているのが
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