第百三話 一発は一発
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ったかもしれないという。その余裕も尤もな話だ。いくらデスティニーやストライクフリーダムが速くても、今の状態では火力が足りていない。
彼らの持つ武装で最も火力が高いのは零距離で放つパルマフィオキーナやストライクフリーダムの胸部のビーム砲位である。どちらも連発して使うことの出来ない武器だ。
「だが、仮定の話をいくらした所で意味などありはしない」
そう言って議長は接近戦を仕掛けてくるデスティニーをシールドで叩き付け、ストライクフリーダムの動きをドラグーンで抑える。そして――――
「指揮官なき軍がどれほど脆いか、この目で確かめたまえ――――さよならだ、タリア」
『ギル……!?』
ミネルバとアークエンジェル。その両方に狙いを付ける。両艦長は共に狙われたという危機に何とか対応しようとするが、ナイチンゲールを前にそれは無意味な抵抗に近かった。そのまま落とされる、誰もが駄目だと、間に合わないと思っていたが――――
『やら、せるかよ!!』
不可能を可能にする男、ネオ・ロアノークは決して諦めたりなどしなかった。左腕を失っているネオのリ・ガズィだが、シンやキラの機体に比べれば随分とマシなものと言えるだろう。
(あのゲルググに乗っていた奴はドラグーンの軌道に対して量子インターフェースが単調だって言っていた。だったら、空間認識能力を持つ俺なら!)
「そんな情けないMSごときで!」
止めに入ったリ・ガズィを煩わしく思ったのか、艦へと向けていたメガビームライフルをリ・ガズィに放つ。その攻撃を躱すことは出来たがドラグーンが続く様に放たれる。
『あいつ等の為に死んでやれるほど、俺はあいつ等の事を好意的に見てるわけでもねえし、大人でもないんだがね……個人的に、アンタの事が俺は気に入らねえ!』
「――――なるほど、同じニュータイプゆえに走るこの感覚、確かに不愉快だな」
ドラグーンを躱すネオ。パターン化されている攻撃であるなら避けきれる。そう思ったのだが、ドラグーンは軌道を不自然に変えてきた。
『グッ、クソ!?』
「別段、パイロットが固定されているというのであれば量子インターフェースをそこまでパターン化させることもあるまい」
議長のナイチンゲールのドラグーンは自身のニュータイプとしての能力を使う事で量子インターフェースに複雑な軌道プラグラムを組み込んでいた。操作はその分、ストライクフリーダムのドラグーン同様難しいのだろうが、議長にとってそれは枷にならない。
『ウッ、グオッ!』
『やらせるかァァァ!!』
落とされる、そう思った矢先にシンがビームブーメランを投げた。議長はその攻撃をドラグーンで撃ち落とすが、当然注意をシンの攻撃に向けた以上、多少の隙は出来る。その間にネオはナイチンゲールに
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