第四幕その二
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「こうして今はこうしているんだよ」
「そうなんですね」
「うん、今漁師の方は息子達がしているよ」
渡し守りは恵梨香にこのこともお話してくれました。
「何の心配もなくね」
「じゃあ渡し守りさんは今もお魚をですね」
「よく食べてるよ。この川のお魚はとても美味しいんだ」
「そんなに美味しいんですか」
「川辺にある果物もどれも美味くて」
見れば川辺には果物の木も沢山あります、林檎や梨を見て皆とても美味しそうだと思っています。そう思いながら川を渡っているのです。
「何の心配もなく暮らしているよ」
「この国にいてですね」
「そうだよ。じゃあな」
「はい、この川をですね」
「渡ってエメラルドの国に行くんだよな、あんた達は」
渡し守りも尋ねてきました。
「姫様に」
「そうするつもりです」
「なら行くといい、姫様はとても素晴らしい方だからな」
「お会いすることもですね」
「楽しいよ。じゃあエメラルドの都も楽しんでくるんだよ」
「そうさせてもらいます」
こう笑顔でお話してです、そしてでした。
一行は川の向こう岸に着きました、渡し守りは一行にまた会おうと手を振ってくれました。一行もそれに応えて手を振って挨拶を返しました。
そのうえでまた黄色い道を歩きはじめました、黄色い道は一行のすぐ傍にありました。
その道に入って進むと左右に綺麗な花園がありました、ですがその花園がです。
「ここがですよね」
「うん、そうだよ」
木樵がナターシャに答えます、まさに今一行が左右に見ている花達がなのです。
「眠り花の園だよ」
「じゃあ元はここに入れば」
「眠ってしまってね」
「動けなくなったんですね」
「ドロシーとライオン君もそうなったよ」
木樵はそのことを懐かしい顔で思い出しながらお話するのでした。
「あの時は大変だったよ」
「けれど今は」
「そうだよ、オズマが花の香りから眠気を取り除いてくれたからね」
「安全なんですね」
「幾らでもここにいてもね」
そうしてもだというのです。
「眠くなることはないよ」
「そういえば今は」
「眠くないよね、君達も」
「はい、全く」
そうならないとです、ナターシャも笑顔で答えます。
「そうならないです」
「オズマはオズの国全体を見られていつもオズの国のことを考えているからね」
「この花園もですね」
「安全になったんだ」
「オズの国も平和になったんですね」
「いやいや、平和になっても色々面倒なことはあるんだよ」
木樵はこのこともお話するのでした。
「残念だけれどね」
「そういえばオズの国には」
「そうだよね」
ジョージと神宝は木樵の今の言葉に気付きました、オズの国は確かにとても素晴らしい国ですがそれでもなのです。
「色々な種族がいて
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