SAO編
序章 はじまりの街にて
8.特訓開始、その前に
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に叫んだ。
「ええええええええ〜〜〜〜!?」
食事を終えた俺たちは、煙突亭のすぐ右斜め向いにある雑貨屋に向かった。
「…………っしゃぃ」
店の中に入った俺たちは、此処《雑貨屋ナウザス》の店主だと思われるNPCのやる気の無い挨拶で出迎えられた。
入口から見て、店の奥の正面のカウンターに片肘つけて本を読みながら座っている偏屈そうなご老人のNPCが、ここの店主なのだろう。
店内は一言で言えば、狭い。入口からカウンターまでの両脇に大きな棚がいくつも並んでいて、まるで一本の通路みたいだ。更に薄暗く、埃っぽい店内は少し怪しげな雰囲気を醸し出している。
「ほえー、年季を感じる店ッスねー」
「あ、このポーチ可愛いっ」
「ちょっと二人とも、ここに来たのは別の目的でしょ……」
ルネリーとチマが珍しいものに飛びついて、レイアがそれを諌める。
まだ会ってから一日しか経ってはいないが、俺にはその光景がすでに日常に思えてきていた。
そんな三人を放置して、俺はNPCに話しかけた。
「……すまない。《回復ポーション》というものを買いたいのだが」
俺たちはこれから街の外に出て、この三人にイノシシへ再戦させる。
流石に最初は無傷で、とはいかないだろう。
俺も一応は見ているとはいえ、治療手段はあるに越したことは無い。
今後は自分だけではなく、この三人の命も守らなければならないのだ。こういう準備はちゃんとしておきたい。
ちなみにこれはチマの提案だ。俺は、そんな物があるなんてことは頭から抜け落ちていた。
――普通なら、そんなにすぐに傷が癒えるわけが無い。
そんな考えもあって、二木には聞いていたのだが俺はその存在を忘れていたようだ。
まあ、チマ本人も今さっき思い出していたようだが……。
そんなことを煙突亭の酒場で話していたら、近くを通ったウェイトレスNPCが、「回復ポーションならぁ、すぐそこのぉお店にありますよぉ」と教えてくれたのだ。
そんな経緯もあって、俺たちはここに来ていた。
店の中は乱雑としていた。様々な色のガラスの小瓶に入った液体。毛皮の小物にアクセサリー、お面に……土偶?
このような中、四人とも見たこともないものを買うのだから、NPCに訊く方法が手っ取り早いと考えた。
「…………」
NPCは、本から視線を外さずにカウンターを指でトントンと叩いた。
「……?」
その行動の意味が解らず、俺はもう一度同じことを訊いた。
「……店主。回復ポーションを買いたいのだが?」
今度は少し大きめに声を上げてみた。
するとそのNPCは、横目でチラリと俺を見て、再び本に視線を落としながら、またカウンターを指でトントン
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