◆2 こたつの上の決闘 前編
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
このさくらという少女(?)の話によれば、ここは一年中桜が満開な初音島だということ。
その中でも特に大きい桜の木の下で俺は倒れていたらしい。それを偶然見つけたのがさくらだ。
この芳乃さくらがまた謎だ。風見学園という中高一貫学校の校長だと言いはる。
さもホントのように振る舞ってくるが、その容姿から怪しさ満点。
これで親だと言いはる辺り、呆れるのを通り越してむしろ笑い話だ。
だがこれが全て本当のことだということを聞くのはこの後だった。
「じゃーん!これがボクのお家!」
「日本の屋敷見てぇな風貌だな。隣の家は思っきし洋風だっていうのに。
大丈夫か、この家?倒壊とかしないだろうな?」
「チッチッチ、日本の技術力は日々進歩してるんだよ。
改修を重ねれば何十年だって住めるんだから!」
外から見ると2階建てのいかにも和風っていう家だ。
家は石の囲いで囲われており、小さな門みたいなのをくぐると玄関だ。
手慣れた手つきで扉を開ける。障子みたいなタイプのあれだ。
「たっだいまー!義之くーん!!」
学校から帰ってきた小学生のごとく自分の帰宅を主張する。
俺はといえば、和風の家なんて生まれて初めてくぐるし、なにせ他の奴の家に行くことなんざ生前以来初めてだ。
ちょっと緊張している。
「おかえりなさい、さくらさん。…ってそちらの方は?」
出てきたのは10代半ばの青年と言ったところか。
顔つきは優しそうだが、俺に向けてる目線は明らかに警戒している。
体つきはなかなかがっしりしている。喧嘩慣れしている身体だ。
威嚇を続ける青年と俺の間にさくらが割って入る。
「ストップストーップ!なんでそんなに警戒してるのさ。アリトくんはボクのお客さんで、これから居候するんだからさ!」
「え?ちょ、ちょっと何言ってるんですかさくらさん!お客さんなのは分かりましたが、居候って…」
「アリトだ!よろしくな!」とりあえずさくらに合わせておくことにした。
「え、あ。桜内義之です。じゃなくて!!」
「ちょっとワケありの子だからボクが預かることになったんだけど、いいでしょ?部屋も余ってることだし」
明らかに動揺していたヨシユキだったが、
ワケありの子という言葉を聞くと「仕方ないですね…」とつぶやくと俺を家にあげてくれた。
顔つきの通り優しそうだが、流されやすいタイプなんだろうなとなんとなく思った。
-----------------------------
「つまり俺と同じく桜の下にいたんですね」
「そういうこと!ボクが見つけなかったらきっと凍え死んでたよ」
ケラケラ笑う金髪少女(?)はさておき、事情はさっき話した。
案外素直に聞いてくれた。こいつ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ