二学期
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の放課後、クラスでは出し物を決めるために生徒達が残っていた。響はサボろうとしたのだが、セシリアとシャルロットがダメだというので渋々と残ることにした。
「えーっと……とりあえずいろんな意見が出てきたけど……」
一夏が微妙な表情のまま黒板に書かれた案を見るが、すぐに皆の方を見ると、
「うん。却下」
その瞬間、クラスにブーイングの嵐が舞う。響はこうなることを予測したように耳をふさいでいた。
……まぁ確かにアイツが却下したくなるのもわからんでもないか。なんだ『織斑一夏のホストクラブ』って、アイツ一人しかいねーじゃん。酷使されすぎだな。
呆れた様子で溜息をつく響だが、そこへ一夏が響に声をかけた。
「ひ、響!! なんか意見ないか?」
「……あぁ? 何で私が……」
急に響に意見を求めた一夏を響が睨んだ。それを見た周りの生徒、そして睨まれた一夏も若干萎縮するが、
「チッ……。じゃあ喫茶店でイインジャネ?」
「喫茶店か……みんなはどうだ?」
響の意見を聞いた一夏が皆に問うと、皆は少し悩んだ表情を浮かべる。すると、一人の生徒がおずおずとした様子で響に聞いた。
「えっと……鳴雨さんに聞きたいんだけど……それって衣装は何でもいいってことなのかな?」
「衣装なんざ何でもいいだろ。アレでもいいんじゃねーの、今流行のメイド喫茶的なヤツ。そんで一夏にゃ執事服でも着せとけ」
半ば投げやりに答えるが、響のこの意見が女子連中にヒットしたようで、
「執事服織斑君か……それいい!!」
「それで行こう!!」
「ナイスアイディアだよ鳴雨さん!!」
「お、おう」
周りの席の女子数名に響は手を握られ、一瞬たじろいだ。しかも、彼女達の瞳には響に対する恐怖心が見られなかった。
「それにメイド服の鳴雨さんも見てみたい!!」
「だね!! いつもとのギャップを見たい!!」
しかし、段々と話が一夏から響の方に流れていった。
「お、おい! お前ら、私はホールにはでな――――」
「「「「「却下!!」」」」
「えー……」
流石の響もクラスの大半の女子に声をそろえられて言われると何も言えなかった。そのままポカンと口を開けた状態のまま響は固まっていたが、女子達は出し物についてかなりテンションが高いまま話し合っていた。
その後、響はまたしても生徒会室へと顔を出していた。
「まさか二日連ちゃんで呼び出されるとは思わなかったぜ……」
「まぁお嬢様は結構気まぐれだから」
「気まぐれすぎですよ。猫かっての」
響は虚と話しながら椅子にだらりと背を預けながら天井を仰ぐ。本音もいるにはいるのだが、例によって眠りについ
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