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勇者番長ダイバンチョウ
第13話 死亡確率99.9%!? 男は最後まで諦めず走り続ける生き物也
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 即座に足元に置かれた紙切れを拾い、真は横にある車庫へと向った。
 其処では未だに番とバンチョウが激しく喧嘩をしている真っ最中であった。母が攫われたと言うのに何と呑気な連中なのか。
「兄ちゃん、大変なんだ!」
「何が大変なんだ! こっちだって今大変なんだよ!」
「母ちゃんが、母ちゃんが誘拐されたんだよぉぉぉ!」
「な、なんだとぉ!」
 余りにもショッキングな内容に番もバンチョウも放心してしまった。そんな番に突き出すかの様に真は持っていた紙切れを番に手渡した。それを受け取った番。開いた紙に書いてあったのは簡潔に書かれた地図であった。其処には轟家をスタートとして赤い線で一本道が描かれている。
 恐らく此処に来いと言っているのだろう。
「くそっ、こんな事をするのはゴクアク星人くらいしか居ねぇ。舐めた真似しやがってぇ―――」
 紙を握り潰し、番は立ち上がった。大事な母を救わなければならない。でなければ、最悪奴らに何されるか分かったものじゃないからだ。
「真、俺がお袋を連れ戻してくる。お前はその間に飯の支度をしててくれ!」
「って、一人で行くつもりかよ?」
「心配すんな。こんな卑怯な手しか使わない奴ら俺一人で充分だぜ」
 一言そう言い、紙に書かれた場所へと向おうとする番、そんな番の前に突如として現れた一台のパトカー。サイドの方には【番町警察署】と書かれていた。どうやら署のパトカーを勝手に拝借して帰って来たらしい。
「よぉ、これから飯時だってのに何処へ行くつもりだ、番?」
「駒木のおっちゃん!」
 現れたのはお馴染み駒木慎太郎であった。話の読めない駒木の為に真は先ほど起こった経緯を一から十まで丁寧かつ分かりやすく説明してくれた。その為に、番と駒木の二人でその目的地に行くと言う図式ができてしまったのは言うに及ばずだったりする。
「すまねぇなおっちゃん。俺がうかれてたせいでおっちゃんまで迷惑掛けちまってよぉ」
「何を今更、お前に迷惑掛けられんのなんざ慣れっこだ!」
 パトカーに便乗した番が謝罪の言葉を並べる。その言葉を受けた駒木が笑ってそれを返してくれた。相変わらず良い親父っぷりである。
「それより、絶対に恵さんを助け出すぞ番!」
「あぁ、それだけじゃねぇ、こんなふざけた奴ら全員地獄に叩き落してやる!」
「そいつは片道切符にしておけ。往復された日にゃ溜まらんからな」
 どうやら、今回ゴクアク星人達は恐らく血の雨を見る羽目になりそうだ。今の番と駒木の二人は完全にぶち切れモードに突入してしまったのだから。
 その二人が訪れたのは人里からかなり離れた場所にある荒廃したビルだった。
 待ち伏せして袋叩きするにはお誂え向きの場所と言えた。
「油断するなよ番。こう言った場所では死角になりえる場所で潜んでいる危険性がある」
「心
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