第13話 死亡確率99.9%!? 男は最後まで諦めず走り続ける生き物也
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配すんな、俺の勘はおっちゃん譲りだからな」
「言ってくれるぜ」
互いに笑みを交わしながら荒廃したビルの中へと入っていく。外が荒廃していただけあり中もかなり荒れ果てていた。恐らく其処は受付の場所だったのだろう。受付代とロッカーらしき物が数点あるのが見えるが、後はがらくたばかりが見受けられる。
此処を破棄されて一体どれ程の日数が経てばこの様に荒れ果てるのだろうか?
疑問を胸に二人は更に奥へと進む。
ガコン!
何かが足元で作動する音がした。クソッ、罠か!
察知した時には既に遅く、番と駒木の真下にあった床が姿を消し、二人は暗い闇の中へとその姿を消してしまった。
***
視界がようやく回復した番の目の前に映ったのは薄暗い通路であった。
壁も天井も床も全て薄気味悪い石造りになっている。その横で同様に駒木も居た。
彼は刑事らしく壁を叩き何処かに抜け道がないか探し回っている。
「随分古臭い壁だな」
「どうだおっちゃん。どっかに抜け道はありそうか?」
「駄目だな、完璧にガチガチに固めてやがる。こりゃ一杯食わされちまったみたいだな」
飛んだ醜態であった。勇み足でやってきてみればこの様だ。これでは仲間達に笑われてしまうのは明白だろう。何とかして此処から脱出しなければ。だが、どうやって?
【これはこれは、飛んで火に居る何とやら、とは貴様達の事だな】
「何だてめぇ!」
突然壁に現れたモニターから声とその声の主が姿を現した。
其処に映っていたのは先ほど恵を誘拐した若いサラリーマン風の男であった。
【始めまして不法侵入の鼠さん。早速でわるいけど、君達は此処で駆除される運命だから、大人しく死んでくれ給え】
「抜かしやがれ! 人のお袋を誘拐しやがって! 待ってやがれ、今すぐそっちに行っててめぇのそのすかした面ボコボコにしてやらぁ!」
モニターに向い指差し豪語する番。その怒号に対し、不気味な笑みを未だに浮かべ続けている謎の男。その笑みがまた気に障った。
「おい、てめぇ何処の者だ? こんな真似して只で済むと思ってんのか?」
【ふん、地球人ってのはどいつもこいつも好戦的だな。まぁ良い、寧ろ只では済まないのは貴様等の方だ。そのまま其処に居たら貴様等揃ってミンチになるぞ】
「何? 一体どう言う意味だ―――」
言葉を途中で切り上げ、番は耳を澄ました。何かが聞こえて来る。何か高速で回転している音だ。金属が擦れ合い猛烈なスピードで回っている音にも聞こえる。何処かで聞いたような音だった。
その音のする方を見た二人の目に映ったのは、猛烈な勢いでこちらに迫りながら近づいてくる大型の丸ノコであった。
大きさからして成人男性とほぼ同じ位の幅がある。しかも縦横十文字に取り付けられている為に避
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