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八条学園怪異譚
第五十六話 鼠の穴その十一
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いとした、そしてだった。
 二人を急がせる訳ではないが脚立を昇らせた、まずは愛実が昇る。スカートの中から見える半ズボンの色は黒だった。
 愛実は天井のその隅を押すとそこが開いた、そしてだった。
 まずは彼女が入る、続いて聖花が。そうして二人で天井に入ると。
 そこはただの天井だった、愛実は聖花の手を取って上がるのを手伝うとそこでだった、こう言ったのである。
「ここもだったね」
「そうね、ここもね」
 聖花は天井の中を見回しつつ答える。そこはまさに何もなかった。
 それでだ、愛実にこう言ったのだった。
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