暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
エピローグ〜After Day〜
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きるように。む、難しい。どうやっても子供たちが起きてしまうことになりそうだ。変に意識を集中させてルシルを起こそうと格闘すること数分、やっとルシルの目が開いた。
子供たちは・・・起きてない。やった。妙な達成感が沸き上がってくる。小さく万歳しながら、ルシルが完全に覚醒するのを待つ。

「ん・・・フェイト・・・?・・・っ!? あ、しまった! つい眠ってしまっ――」

「しぃー。静かにしないと子供たちが起きちゃうよ」

ルシルがいきなり大声を出そうとするのを止める。ルシルは両脇に眠る子供たちを認めて、一度深呼吸。それから落ち込み始めた。

「・・・うわぁ、やってしまった。他の子たちはどうしてる?」

「え? うん、向こうに居るよ」

指差す方には、さっき私たちから離れていった子供たちが居る。この施設の職員たちと一緒に、それぞれの部屋に戻されるところだ。

「はぁ。あの子たちには悪いことをしたな。今度なんでも言うことを聞いてあげようか」

そう言って、子供の1人を起こさないように抱きかかえた。私もそれに倣ってもう1人の子供を抱え上げる。軽い。でも温かい。人の温もりだ。抱えた子供たちを職員に預けて、私とルシルは施設を後にした。
それから夕食を済ませるために本局内にあるレストラン街に行って、明日からの休暇について話し合う。どこに行こうか。お弁当にするか、その場で買って食べるか。すごく楽しい時間だ。ルシルの仕草1つ1つにドキドキする。

「まぁ大体こんなところだろう。あとでエリオとキャロにも連絡しておかないとな」

「あ、それは私がしておくよ」

ある程度休暇をどう過ごすかの日程を決めて、レストランを後にする。向かうは私とルシルの住まう寮。明日に備えてもう休むためだ。寮に向かう途中、私はずっとルシルの手を握ってた。向けられる視線。やっぱり恥ずかしいけど、でも握っていたかった。
見ればルシルの顔も若干赤い。あはは、ルシルも照れてる。なんだかそれが嬉しかったりする。ルシルってばいつも余裕の表情で少しつまらなかったから。分かれ道。男性寮へと続く道と女性寮へと続く道に着く。

「じゃあルシル。また明日」

「ああ。フェイト、明日からのちょっとした旅行、楽しみにしている」

「うん、私も!」

名残惜しいけど手を離す。でもどっちも寮に帰ろうとしない。

「ルシル?」「フェイト?」

お互いの名前を呼ぶ声が重なる。それに続いた「どうかした?」というのも同時、全く同じタイミング。そしてそっちが先に話してもいい、という譲り合いが始まる。よくテレビとかで観るあの光景だ。可笑しくて2人で笑った。それで結局、ルシルが先に話すことになった。

「彼女を見送るのが男というものだ。だから先にフェイトが帰るのを見送る」


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