暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
エピローグ〜After Day〜
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「お兄ちゃんも大変なんだから、少しは我慢しなさい」
子供たちが少し残念そうに漏らす。彼は子供たちに本当に好かれている。彼は六課解散後に、再び管理局に勤めることになった。最初はまた武装隊だとか教導隊、スバルのように救助隊、果てには執務官はどうかとか話が来ていた。
(けど彼はそのどれも断った)
彼には、それを成せるだけの力が無かったから。私との対人契約。それで彼は一度全てを失った。魔術は使えなくなり、魔力量もDランク相当にまで減った。それに空も飛べなくなった。彼が最も得意とする空戦も出来ない。残るためにとはいえ、それは残酷なことだった。そう思った。だけど、また強くなればいい。そうしたらまた君を護れる、と言って、彼は微笑んだ。すごく嬉しかった。強いと思った。この人を好きになって良かったって思った。
(そして彼は今ではもうSSランク。卑怯だ。反則だ。ズルすぎる。なんなのそれ!?)
きっと複雑な隠しコマンドを使って裏技を発動したに違いない(意味不明)。彼が強くなるまでは私が彼を護るつもりだったのに、たった2年で私を抜いた。ルシルのSSランクへの昇級を知ったあの時の私のへこみっぷりは凄まじかった。ふんだっ、別に泣いてなんかいないもん。
「ルシル」
ようやく着いたそこに、彼は居た。木にもたれかかって眠っている彼、私の大切な人ルシル。ルシリオン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロード。その名でルシルはこの世界に残された。ルシルの両脇には子供が2人いて、ルシルにもたれかかって眠っていた。3人の側には読みかけの絵本が何冊か置かれている。とても微笑ましい光景だった。邪魔はしたくない。けど、ルシルも終業だし、起こさないといけない。起こそうと思って顔を近付ける。
「っ!」
ふと、ルシルの形のいい綺麗な唇に目がいった、いってしまった。一気に顔が熱くなる。対人契約のことを思い出したからだ。そっと自分の唇を指先でなぞる。
(私の・・・ファーストキス・・・っ!!)
あーーーーーーダメだーーーーーーーー! 一度思い出したらもう止まらない! 恥ずかしい! 告白したとき以上に恥ずかしい! 仕方ないこと、必要なことだと言っても恥ずかしすぎるーーーーーー!!
「フェイトお姉ちゃん・・・?」
「どうしたの、フェイトお姉ちゃん?」
「ダメよ、邪魔しちゃ。今はそっとしておこうね」
なんか後ろの方からありがたくない気遣いの言葉が聞こえてきた。それから、子供たちが何か言いながらこの場から去っていった。うぅ、ごめんなさい、変な気を遣わせて。嬉しいような悲しいようなだけど。
「ルシル。起きて、ルシル」
何とか冷静を取り戻してから、ルシルに声を掛ける。ルシルの両脇に眠る子供たちを起こさないように、でもルシルが起
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