暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
彼女の想い、彼の思い〜I Love You〜
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うとしない」
そこが最大のネック。
「どうしてですか? 残れるなら、やっぱり残ろうと思うんじゃないんですか?」
スバルの言葉に続くようにみんなも同じようなことを言い始める。昔のルシルならそうだったろうけど、ルシルには酷い思い出がある。それが、ルシルに幸せになるという選択肢を失わせている。それに“アンスール”で1人だけ生き残ったという負い目もある。そこのところは大丈夫だって言っていたけど、それも原因の1一つに変わりない。
「ルシルにはいろんな悲劇の記憶がある。アンスールの事もそうだし、守護神としての契約の数々の中にもたくさんの悲劇があった。護る為には親しくなった人をその手で殺め、逆に殺されるなんて事もたくさんあった。ルシルに来る界律からの契約はそんなのばっかり。ルシルの心を犠牲にするような、ね。とことん使われて、多くの絶望を体験して心が壊れ始めた」
「テスタメントになってからも、そんな酷い目に遭ってきたんですか!?」
ティアナが叫んだ。この子もまたルシルにいろんな事を教わった弟子のようなものだ。親しくなった人の悲劇はやっぱり耐えられないんだろう。優しい子だ。
「守護神なんてそんなもの。大層な肩書の割に、その存在はまるで奴隷。人権なんてもちろん存在しない。世界にとって都合のいい道具でしかないの。殺せと命令されれば殺す。殺されろと命令されれば殺される。常に世界にとって一番の行動を取らされる」
少し気が引けたけど、守護神として初めてルシルが愛したガブリエラの事も話した。愛した女性をまた護れなかったルシル。それが最大の原因であることも。
リインが「そんなの酷いです」ってまた泣き始めた。リインをあやすはやてとシャマル。そんな2人もまた辛そうな表情だ。
「だから、ルシルは自分が幸せになるという選択肢を持たない。持てたとしても選ばない。自分の幸せに恐怖を抱いてると言ってもいい。相手を不幸にするかもしれない。それもまたルシルをキツく縛り付ける鎖」
「なんだよそれ・・・。お前やセインテストはそんな事をずっとさせられてきたのかよ」
ヴィータが怒りに震えた声でそう言った。
「だからこそ私は、そんなルシルに幸せになってもらいたいと思ってる。私以上の悲劇を背負ったルシルに。自己満足で余計なお世話かもしれないけど、それでも!」
フェイトを見てハッキリ口にする。
「この世界でフェイトと一緒に幸せになってもらいたい」
「シャル・・・」
「・・・ルシルを、お願い出来るかな?」
握手を求める。フェイトはゆっくりと優しく手を重ねてきて、「うん!」ハッキリと頷いてくれた。あとはフェイトがルシルを説得するだけ。それが上手くいけば、ルシルはこの世界で新しい生を得ることが出来る。幸せになるかどうかは
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