暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第10話「風の悪魔の撤退」
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反論した。

「はぁ!? ふざけんな! なんで悪魔に指図されなきゃならねぇんだ!」

「……………………大体、なんで人間を助けようとする?」

キリシマの質問に、べリアルは曖昧な答えを返す。


「…………さあな」



フォカロルを焼き潰す火球に変化が起きた。
火球が少しずつ歪み、焔が不安定になりつつある。
そして、火球が内側から破裂した。

中から、火の付いた風を纏ったフォカロルが姿を現した。
5人の悪魔狩りは、一斉に武器を構え直した。

焔から出てきたフォカロルは、これまでにないほどの憎悪を全身ににじませていた。

「どうする? もう一度お前を焼き潰すことなんて造作もない」

べリアルの脅し混じりの言葉に、フォカロルは苛立ちを隠せなかった。
しかし、べリアルの他に厄介な悪魔狩りを相手にするのは面倒だった。

「べリアル………お前は人間の価値の無さを知るべきだ………」

「そうかよ」

「……………………」


周囲の風向きが変わった。フォカロルの周囲に風が集中し、次第に強くなっていく。
次の瞬間、風が砂を巻き上げ、フォカロルを完全に包み込んだ。


風が止んだ時、風の悪魔はもうその場にはいなかった…………
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