第百一話 死を求む愚者
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いてるだろうさ!!」
クラウのその考えはあまりにも傲慢な上に的外れだ――――きっとクラウを弄んだ神は慌てふためく所か、狂ったクラウを見て嗤っているだろう。だが、憎しみの対象とも言える存在に対し、感情のタガが外れた今のクラウにそんな理性的な思考を求めることなど出来はしない。
機械に繋がれた脳は嘘をつかず、AIはただ事実を淡々と認識する。故に深層心理に刻まれた彼の本質の一端が暴走するかのごとく、彼の感情として表面化させた。それはある意味、彼自身が望んだクラウ・ハーケンという人間性の崩壊というある種の死だったのかもしれない。
「これで、終わりだ!」
ゲルググのコックピットにあるモニターの一つがメサイアが発射されるまでの残り時間とその範囲を示す。時間は既に十秒を切っており、最早デスティニーやストライクフリーダムが最大限に加速しても、その射線から逃れることは不可能だ。
『こんな所でッ……!』
ミネルバやシン達が落とされれば、まず間違いなく戦線は崩れる。そうなれば自分たちについた味方は敗北するしかないだろう。だが、もうどうすることも出来ない。
堅牢な戦艦や最強の一機であるクラウのゲルググであっても生き延びることは不可能なのだ。それ以下の性能でしかない他の機体では生き延びられることなど出来ないだろう。
「これで俺の勝ちだ!」
そして、残された時間が零となり――――メサイアから一つの光が射された。
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