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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 03 「騎士達と少年」
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、理解していると思ってしまうな。下手に考えすぎれば、決意が鈍りかねん。気をつけなければ……。

「だけど、みんなといるはやては幸せそうだった。本当の家族のように見えた。だから最初は何かしら目的があるんじゃないかって思いもしたけど、どこの誰だろうといいと思えるようになっていたんだ。それなのに……」

 どうして……、といった視線を我らに向ける。誰も返事を返すことはなかったが、ヴィータやシャマルは視線を逸らしたかもしれない。
 夜月は自分の思いを押し付けてはいけないと思ったのか、何度か頭を横に振る。先ほどの表情に戻った彼は、再度私達に話しかけてきた。

「……突然現れたことと魔力を集めていること、はやてのことを主だと呼ぶことから推測するに、シグナム達は何かしらのロストロギアに関係する存在なんだろ?」
「…………」
「……でもはやては、他人を傷つけるような真似はしない。他人が傷つくくらいなら自分が……って思うような優しい奴だ。シグナム達がはやてを大切に思ってるのは分かってる。だから本当なら、はやてが傷つくようなことはしない。したくないはずだ」

 夜月は私達が主を傷つけるような真似をするはずがない、と続ける。
 誰もが彼の言葉に返事を返したりはしない。何もかも見通しているかのような彼の言葉に、心がかき乱されているからだろう。彼は味方になってくれる……だが最善は、と何度も自問しているはずだ。

「だけど現実は……。俺ははやてがどんな奴かも、みんながどれだけはやてのことを好きなのかも分かってるつもりだ」
「…………」
「それにはやての身体のことも知ってる。ロストロギアが絡んでいたのなら、治療しても成果が出ていない説明もつく。魔力を集めるという行為は、ある意味では治療なんじゃないか? みんながはやてを傷つけることになってもって行動を起こしたのは、そうしないと今後はやての容態が悪化していって最悪……だからじゃないのか?」

 夜月が口を閉じてから数秒経っても、私は何も言えずにいた。夜月の導き出した答えに驚愕しているのも理由だが、何よりも彼に恐怖のようなものを感じているからだ。
 こいつがどれだけ主を大切にしているかは知っている。肯定してしまえば、蒐集の協力は難しくてもこちらの行動を邪魔したりはしないかもしれない。……だが、この年でここまで頭が回る奴だ。我らの味方をするフリをして、こちらの情報を流す可能性もありえる。
 様々な思考が胸中を渦巻いて考えがまとまらない。ただ、距離を置いて接していたのならば迷うことなく夜月を斬ることができた、という後悔だけは強まっていく。

「……沈黙ってことは、少なからず当たってるって解釈させてもらうよ。……俺は、はやてを死なせたりしたくない」
「……だからどうすると言うのだ? 我らと共に行動すると
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