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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission6・@ ~鬼の森~
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事だけは返す。
しかしどうにも緊張しすぎているようでいけない。
確かに十六夜たちを召喚した翌日に自らがゲームに参戦、しかもそれが初めての参加などということになれば緊張もしてしまうというものだろう。
ましてやそれに魔の眷属が暗躍することになるとなれば尚更だ。
だがそのようなゲームの条件とは違うどこかで、ジンは目の前の遊戯に気を張っているようだった。
ダンテが『暇』という史上最強の敵を激闘を繰り広げていた昨晩、実はジンはノーネーム≠ノ侵入してきた部外者と十六夜とのやり取りに立ち会っていたのだ。
そこで行われた会話というものは、もはや無茶苦茶などという言葉で片付けられたものではない。
なんと十六夜は、『打倒魔王とその関係者』をノーネーム≠フ目標として掲げ、さらにその顔役として仕立て上げたのである。
確かにノーネーム=Aしかも旗印もない自分たちのようなコミュニティでは、もはやリーダーの名前くらいしか売り込むことができるものはなにもない。
こうしてジンを旗印の代わりとして、次々と活躍の場を公衆の面前で見せることさえできれば信頼を勝ち取ることができる。
そしてそのままそれを続けていけば……彼らはもしかすれば、新たな同士を引き入れることができるかもしれない。確かに、理論的ではある。
だが同時に、あまりにも無謀な策だった。このような目標を掲げてしまえば魔王たちに注目されてしまうのは当然。
今の力のないノーネーム≠フままでこんなことをすれば自殺行為でしかないからだ。
多くの不安要素が渦巻く中、覚悟する暇もなにもなく実行されたそれにジンはただ頭を痛めるしかなかった。
しかもこれは、最初のこのゲームで勝利を収めることができなければ成功しない。
まさに、運命の分かれ目ともいえる大勝負だ。どれくらい大事かというと、これで勝てなかったら十六夜が『俺、このコミュニティから抜けるわ』などと言うくらいである。
そんなものが目前に控えているのであれば、ガチガチに緊張してしまうのも仕方のないことだった。
「……ッ」
思わず唾を飲みこみ、汗を流すジン。
余裕など全くない幼い男の子の姿を見て、ダンテはため息を吐きながら、
「……十六夜との約束なら、そんなに気にする必要なんてねーぞ?」
「!!」
ボソリ、と。
ちょっととんでもないことをさらっと言ってのけた。
それはかなり衝撃的なことだったらしく、ジンは魔人の方へと振り向いて目を見開く。一方でダンテはその反応を楽しげに眺めてもう一言付け足した。
「な……どう……!?」
「わりぃな。でもあんだけ大声で騒いでんだ、そりゃ聞こえちまうってもんだろ?」
声を出そうとしても、口をパクパクと動かすことしかできないジン。
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