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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission4・A ~白い夜叉からの試練~
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っけ? で、母さんが人間だ」
「待て待て待て、魔の眷属と人間の高位生命(ハイブリッド)じゃと!? そんなものこの数千年で聞いたこともないわ! 第一奴らと人間が交わるなどと……」
「知るかよ。現に俺はこうしているんだからよ。半分はこれでも人間だぜ?」

 本当に、どうでもいいことのようにダンテは言い切った。
 しかし、これは白夜叉や黒ウサギたちにとって大事件でもあったのだ。
 人間と、魔の眷属の間で子が生まれた。
 奴らは人間を自分たちの糧としか見ていない。それこそ性行の相手とみなして行為に及ぶなど、考えたこともなかった。
 だが、ダンテは間違いなく人間でもあり、魔の眷属でもあった。人間にしてはその魔力は禍々しすぎるし、魔の眷属にしては……どうにも清らかというのか、人間臭い。
 信じられないことだが、事実だと認めるしかなかった。

「ま、まぁとりあえず……ダンテさんが魔の眷属の手先でなくて、よかったというべきでしょうか……伝説の魔剣士のように、人間の味方であってくれるのならば、これほど心強い者もいませんし」
「……伝説の魔剣士?」

 聞き捨てならない言葉を耳にして、ダンテは黒ウサギに問う。

「かつてこの地に訪れ、自身も魔の眷属でありながら人間のために戦ってくれた英雄、スパーダのことらしいぜ。ダンテ、何か知ってるのか?」

 十六夜が黒ウサギの説明を付け足して、ダンテにそう訊ねかけた。
 ダンテは肩を落とし、ため息を吐く。

「……この世界でも有名なのか? スパーダは」
「らしいな。で、そっちはどうなんだ?」
「ま、一人のファンってところかな? そんなもんだ」
「ふーん……」

 ファンどころか、父と息子の関係なのだが、ダンテはそれをはぐらかす。
 言ってしまって、自分に対する見方が変わってしまうのが嫌だったからだ。
 英雄の息子、確かにそれはこの世界でももてはやされるのだろうが、父は父。ダンテはダンテだ。
 ハッキリ言ってどうでもいいし、そんなことで自分を畏怖されたり敬遠されるのは好きじゃない。
 十六夜はダンテの返答に訝しげな表情をしたが、納得したのか特に何も言ってはこなかった。

「やっぱり、ダンテさんの世界でも語られているのですね。魔剣士スパーダは」
「まぁ、本人が魔の眷属と人間の息子なら、それもそうでしょうけど……」
「といってもお伽噺みたいな扱いだがな……強かったらしいぜ。ここでもそうだったのか?」
「当たり前だ。私ですら勝てなかったのだからな」

 と、そこで白夜叉がダンテの問いかけに答える。

「し、白夜叉様でも、でございますか!?」
「おう。戦ってみたことがあるのだがな、あの強さはもう反則だ。なにしろ剣を振っただけで大地が砕けて、空間が裂けるのじゃぞ? 星霊で
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