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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission4・A ~白い夜叉からの試練~
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と同化して、体の一部を鋼と化す金属らしい。仕組みはわからんが、まあ何かの役に立つじゃろうて」
「ま、ままま魔剣士の残した武器ですか!?」

 白夜叉の言葉を聞いて仰天する黒ウサギ。
 褒美を寄越すといっても、まさかそんなものをくれるとは夢にも思っていなかったのだろう。
 その価値は、聞くまでもない。こんなゲームの景品としては不釣合いすぎるくらいだ。

「いい、いいのですか!? 白夜叉様」
「よいよい。どうせまともに扱える者もおらんし、それならこうして使える者に託した方が武器もいいじゃろうて。それに、こやつのことが気に入ったしな」
「そいつは嬉しいね。ありがたく受け取っておくよ」
「ダ、ダンテさん、でもそんな……」
「あ、ところでお嬢ちゃん。こいつを試せるものってないか?」
「あの鉄くずになったジュークボックスにでもやっておけ。どうせもうあれは商品にならん」
「……もういいですよぅ……」

 まともに話を聞いてくれないことにしょげる黒ウサギ。
 そんな彼女をよそに、ダンテは壊れてしまったジュークボックスに歩み寄っていった。
 白夜叉の言う通り、こいつはもうまともに動かなくなってしまっている。音楽は流れず、もうスイッチを押しても反応しないだろう。修理にしたって、やるだけ無駄かもしれない。
 ここで一つ、華々しく散らしてやるのも、元持ち主の務めだろう。

「……フゥゥ」

 流れるようになめらかに動き、構えるダンテ。
 腰を落とし、拳を握ると、ゆっくりと息を吸う。
 その姿勢のまま、ダンテは一ミリも動かないまま止まっていた。
 ……やがて。

「オラァ!」

 カッ!! と目を見開くと、拳に力を込めて前に突き出し、アッパーカットを繰り出した。
 半人半魔の一撃に何の変哲もない鉄くずが耐えられるはずもなく、バラバラになったそれははるか上空に吹き飛ぶ。
 ダンテは真上に飛び跳ね、足を空に向けて突き出すと、落下してくる部品を次々に蹴ってさらに破壊していく。
 粉々になった鉄塊は、重力に引っ張られるまま白銀の大地に吸い込まれた。
 ぶち壊した本人はといえば……自身も落下していく最中に体勢を直すと、拳を振り上げて地面と衝突する瞬間に、

「Go to hell !!(地獄に行きなァ!)」

 ゴゥッ!! と。
 渾身の一撃を叩きつけ、鉄塊を塵も残さず粉砕した。
 あとに残るのは、巨大なクレーターのみ。
 その中心に立つダンテは、己の手足を見て一言。



「Too easy(イカすぜ)」



********



「…………」

 フォレス・ガロ≠フリーダー、ガルド=ガスパーの屋敷。
 そこに、一人の男が訪れていた。
 顔こそ包帯に包まれ全く表情が伺えないも
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