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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission4・@ ~白い夜叉からの試練~
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ながら、白夜叉を睨んで笑う。

「水平に廻る太陽と…………そうか、()()()()。あの水平に廻る太陽やこの土地は、オマエを表現してるってことか」
「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私が持つゲーム盤の一つだ」
「これだけ莫大な土地が、ただのゲーム盤……!?」
「如何にも。して、おんしらの返答は? 挑戦≠ナあるならば、手慰み程度に遊んでやる。――だがしかし決闘≠望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り戦おうではないか」
「…………っ」

 飛鳥と耀、そして自信家である十六夜でさえ即答できずに返答を躊躇った。
 白夜叉が如何なるギフトを持つのか、それは定かではない。しかし三人が挑んだところで勝ち目がないことだけは一目瞭然だ。
 これほどの威圧感、そしてその実力の高さを示すかのような、この広大で威厳のあるゲーム盤。
 相手にしてしまえば、勝ち目はない。
 しかし、自分たちが売った喧嘩を、このような形で取り下げるにはプライドが邪魔だ。
 しばしの静寂の後――――諦めたように笑う十六夜が、ゆっくりと挙手し、

「まいった。やられたよ白夜叉。降参だ」
「ふむ? それは決闘ではなく、試練を受けるということかの?」
「ああ。これだけのゲーム盤を用意できるんだからな。アンタには資格がある。――――いいぜ。今回は黙って()()()()()()()

 苦笑とともに吐き捨てるような物言いをした十六夜を、白夜叉は堪え切れず高らかに笑い飛ばした。プライドの高い十六夜にしては最大限の譲歩なのだろうが、『試されてやる』とはずいぶん可愛らしい意地の張り方があったものだ。
 白夜叉は、腹を抱えて哄笑をあげずにはいられない。
 ひとしきり笑った白夜叉は笑いをかみ殺して、他の三人にも問う。

「く、くく……して、他の童達も同じか?」
「…………ええ。私も、試されてあげていいわ」
「右に同じ」

 苦笑をかみ殺したような表情で返事をあげる二人。満足そうに声を上げる白夜叉。
 一連の流れをヒヤヒヤしながら見ていた黒ウサギは、ホッと胸をなでおろす。
 階級支配者≠ノ喧嘩を売る新人と、新人に売られた喧嘩を買う階級支配者≠ネんて、冗談であっても笑うことができないからだ。
 このまま、この問題児たちも大人しく白夜叉の試練≠選んでギフトゲームを行ってくれると、黒ウサギは思った。

「も、もう! お互いにもう少し相手を選んでくださ
「あ、そっちの話はもう終わったか? んじゃ、やろうぜ魔王様?」


 ――――そう。思っていた。


「「「「…………………………は?」」」」


 ――そしてその考えは甘かったのだ
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