暁 〜小説投稿サイト〜
問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission3・A ~Community of No name~
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の言葉を受けて、ジンは歯を噛みしめる。
 とてつもない侮辱。しかしそれに対して言い返すことをジンはしなかった。
 つまりそれは、事実であるとジンが認めたということなのだ。

「私は本当に黒ウサギが不憫でなりません。ウサギと言えば箱庭の貴族≠ニ呼ばれるほど強力なギフトの数々を持ち、何処のコミュニティでも破格の待遇で愛でられます。コミュニティにとってウサギを所持しているのと言うのはそれだけで大きな箔≠ェ付く。なのに彼女は毎日毎日糞ガキ共の為に身を粉にして走り回り、僅かな路銀で弱小コミュニティをやり繰りしている」

 黒ウサギには、確かにガスパーはもったいないと言いたげな口ぶりだったが、他はまるで馬鹿にしているかのような言葉ばかりだった。
 それでもジンは言い返さない。言い返すことが、できない。
 ガスパーの言葉はすべて的を得たことだったのだから。

「…………そう。事情は分かったわ。それでガルドさんは、どうして私たちにそんな話を丁寧にしてくれるのかしら?」

 飛鳥は含みのある声で問う。理由なんて彼女はもうわかりきっているだろう。あくまでただ聞いてみるというだけだ。
 ここまで自分たちを招こうとしてるコミュニティを卑下し、懇切丁寧にこの世界のさまざまなことについて教えてくれている。この時点で、もうガスパーの目論見など明らかだ。
 ガスパーは彼女の意図を察して笑う。

「単刀直入に言います。もしよろしければ黒ウサギ共々、私のコミュニティに来ませんか?」
「な、何を言いだすんですガルト=ガスパー!?」

 ジンは怒りのあまりテーブルを叩いて抗議した。
 しかしガルト=ガスパーは獰猛な瞳でジンを睨み返す。

「黙れ、ジン=ラッセル。そもそもテメェが名と旗印を新しく改めていれば最低限の人材はコミュニティに残っていたはずだろうが。それを貴様の我が侭でコミュニティを追い込んでおきながら、どの顔で異世界から人材を呼び出した」
「そ…………それは」

 ジンはガスパーの言い分に反論することは出来なかった。
名無しは箱庭の世界ではとてつもないハンディを背負うことになる。なにせ商売もギフトゲームを自ら開催することもできない、有用な人材もいないときたものだから、それから再建に持ち込むなど不可能に近いだろう。
 確かにガスパーの言う通り、彼がコミュニティの名と旗を改めていれば元のコミュニティほどではなくとも、信用はあったはずだ。
 全てが正しくて、ジンは何も言い返せなかった。

「何も知らない相手なら騙しとおせるとでも思ったのか? その結果、黒ウサギと同じ苦労を背負わせるってんなら……こっちも箱庭の住人として通さなきゃならねぇ仁義があるぜ」

 先ほどと同じ獣の瞳に似た鋭い視線に貫かれ、ジンは僅かに緩む。だが彼の心はガ
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