暁 〜小説投稿サイト〜
問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission3・A ~Community of No name~
[12/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ていた。
 最近人を殺しているのだろう、それも大量に、定期的に。これは間違いない事実である。
だがいったいなぜそんなことをしたのか。まず殺人などしたところで、何もいいことなどないのだ。
 この世界ではギフトゲームがすべて。たとえ恨みがあったところでそれはゲームを行って相手を倒せばそれでいい。人を殺してしまってはただ敵を作るだけで、この箱庭の世界ではろくに生活をしていくことすら困難になりかねない。それくらいガスパーは理解しているだろう。
 ではいったい誰を殺したのか。いや、『証拠もなく、殺したところでガスパーに一切実害がない者を殺した』としたら、いったいそれは誰なのか。

 ……悪魔に近いこの男ならば、きっとこうするだろう。
 ダンテは一人、その答えを知った。

「…………そう。ますます外道ね。それで、その子供たちは何処に幽閉されているの?」

 ――やめろ。ダメだ。
 それを聞いてはいけない。
 その先を、この男にしゃべらせてはいけない。
 この男に。そんなことを訊ねてはいけないんだ。

「おい、お嬢ちゃ――」

 そうしてダンテが彼女の言葉を遮ろうとしたが。

「もう殺した」

 それよりも先に、ガスパーの口は動いていた。
 その瞬間、その場の空気が凍り付く。
 その答えを予見していたダンテを除く全員が――飛鳥、耀、ジン、店員達が耳を疑い思考を停止させる。
 ただ一人、ガルド=ガスパーだけは命令されたまま言葉を紡ぎ続けた。

「初めてガキ共を連れてきた日、泣き声が頭に来て思わず殺した。それ以降は自重しようと思っていたが、父が愛しい、母が恋しいと泣くのでやっぱりイライラして殺した。それ以降、連れてきたガキは全部まとめてその日のうちに始末することにした。けど身内のコミュニティの人間を殺せば組織に亀裂が入る。始末したガキの遺体は証拠が残らないように腹心の部下が喰


()()


 ガチンッ!! とガスパーの口が勢いよく閉ざされる。
 飛鳥の言葉は先ほどとは比べ物にならないほど凄味が増し、魂ごと鷲掴むような勢いでガスパーを締め上げる。

「……お子様にはちょいと過激な内容だったな」

 口こそ先ほどとあまり変わらないものの、ダンテは無表情に変わっていた。
 彼のつぶやきに共感するかのように飛鳥は頷く。

「素晴らしいわ。ここまで絵に描いたような外道とはそうそう出会えなくてよ。さすがは人外魔境の箱庭の世界といったところかしら……ねえジン君?」

 飛鳥の冷ややかな視線に慌ててジンは否定する。

「彼のような悪党は箱庭でもそうそういません」
「そう? それはそれで残念――ところで、今の証言で箱庭の法がこの外道を裁くことはできるかしら?」
「厳しいです。吸収し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ