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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission3・A ~Community of No name~
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ないのだ。
なのにダンテは。いともたやすく彼を、動かしてしまった。
「ん? どうした? 訊きたいことあるんだろ?」
しかし当の本人は、全く涼しい顔をしたまま彼女に訊ねかけてくる。
……この男はいったい何者なのだろう。
飛鳥は自分の焦りと疑問を必死に隠し、「……ありがとう」とだけ答えると飛鳥は軽く咳払いをする。
「……あなたはこの地域のコミュニティに両者合意≠ナ勝負を挑み、そして勝利したと言っていたわ。だけど、私が訊いたギフトゲームの内容は少し違うの。コミュニティのゲームとは主催者≠ニそれに挑戦する者が様々なチップを賭けて行う物のはず。……ねえ、ジン君。コミュニティそのものをチップにゲームをすることは、そうそうあることなの?」
「や、やむを得ない状況なら稀に。しかし、これはコミュニティの存続を賭けたかなりのレアケースです」
「そうよね。訪れたばかりの私たちでさえそれぐらい分かるもの。そのコミュニティ同士の戦いに強制力を持つからこそ主催者権限≠持つ者は魔王として恐れられているはず。その特権を持たないあなたがどうして強制的にコミュニティを賭けあうような大勝負を続けることができたのかしら。
教
(
、
)
え
(
、
)
て
(
、
)
く
(
、
)
だ
(
、
)
さ
(
、
)
る
(
、
)
?」
ガスパーは悲鳴をあげそうな顔になるが、口は彼の意に反して言葉を紡ぐ。
彼女の命令するままに。ガスパーは、問われるままを答えた。
「き、強制する方法は様々だ。一番簡単なのは、相手のコミュニティの女子供を攫って脅迫すること。これに動じない相手は後回しにして、徐々に他のコミュニティを取り込んだ後、ゲームに乗らざるを得ない状況に圧迫していった」
「まあ、そんなところでしょう。あなたのような小物らしい堅実な手です。けどそんな違法で吸収した組織があなたの下で従順に働いてくれるのかしら?」
「各コミュニティから、数人ずつ子供を人質にとってある」
ピクリ、と飛鳥の片眉が動いた。たったそれだけの反応だったが、彼女を取り巻く雰囲気からはガスパーに対する嫌悪感が滲み出ていた。コミュニティのことに無関心そうな耀でさえ不快そうに眼を細めている。
ダンテは軽薄な笑みを強張らせた。人質を取るということ自体は、ダンテは何度も経験をしている。悪魔と対峙するときにおいて、そんなことを相手がやってくるのは日常茶飯事だからだ。
元々悪魔は手段を選んでくることなどしない。それにダンテは悪魔たちにとって天敵とも言える半人半魔の存在であり、相手はより一層非道な手段を用いてくるのである。
だから、ダンテが表情を変えたのはそこではない。
ガスパーから漂ってきている死臭。血の匂いがべっとりとこびりついたようなその強烈な香りはどれだけ消そうとしてもしつこく染みつい
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