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[2]次話
君達は、幸せだった?
君達は、胸を張って太陽の下を歩けた?
…私にはどうやら無理らしい。
きっと君達なら「そんな事ねぇ」って言ってくれるだろうね。
けれど、太陽を見て尚、影にしかなれなかった私には難しい話だ。
圭一、君はいつもはちょっとだらしない奴だけど、やる時にはやる奴だった。
魅音、君は部活の最年長者のクセに、誰よりも子供っぽくて楽しい奴だった。
レナ、君は本当の優しさを持っていて、私にも誰にでも親切だった。
沙都子、君はいたずら好きで、けれど人の痛みを理解できる奴だった。
梨花、君は腹黒だったけど、だからこそ賢くって気が利く奴だった。
みんな、誰も彼も、一癖どころか三癖も四癖もあって私は好きだったよ。
みんな、みんな、みんな、強くて、優しくて、明るくて。
大好きでした。
だからこそ、……
「残念だよ。」
――――――私が、君たちを殺さなくてはならない事が。
…ははは。
ほら、泣かないで。
なんで君達は恐怖じゃなくて、悲しんでるの?
何で、君たちが悲しむの?
「…。」
…どうして、弱い私が強い君達を殺すんだろうね。
いっそここで私が死ねば、世の中の歯車が噛み合うのかな。
けれど、私にはどうしてもやりたい事があるんだ。
だから、ごめんね。
ごめんなさい。
死んで、もし、もう一回会えたとするならば、心から謝るから。
「さようなら。」
この世の中、狂ってる。
[2]次話
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