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妖精の十字架
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「さて。ここは別に私の聖域ではありませんが、死んでもらう…っ」

チェスは左手の指輪を外し、息を吹き掛けるように魔力を込め、再び指に装着した
そして、指輪についている金の鉱石が輝く

「ARM、起動っ」

「キシヮァヤァァァッッ!」

奇妙な声を出しながら、蜘蛛は高速で上空より降ってきた
チェスは、まずバックステップで後方に飛び、蜘蛛の着地と同時に背後から攻撃可能な位置に構えた
しかし

「キシュゥゥ!」

「反転した!?」

宙で身を翻し、蜘蛛の攻撃の向く先がチェスが逃げた位置となった
そして、強靭な腕が降り下ろされる

「…まぁ、この程度なんてことっ」

指輪の魔法が発動し、チェスの体を光が包み、蜘蛛の攻撃が直撃する刹那…
チェスの姿がぶれ、僅かに腕はチェスの右に振りおろされた

「シャァッ!?」

本人(本蜘蛛)も、なぜ自分の攻撃が外れたか理解できていない様子
そして、今度は両手を振り下ろす

「甘いですね…」

チェスの体は光に包まれる
そして、再び攻撃は無惨に地面に突き刺さる

「…余りの速さに理解が追い付くまい?」

「キシャアッ!キシャァァ!!」

言葉が通じたわけではない
だが、こうも攻撃が当たらないと、蜘蛛言えど機嫌を損ねるようだ

「さて…君は追い付けるかな?」

不敵な笑みに怖じ気づいたのか、蜘蛛は少し後退り、臨戦体制をとった

「ウェポンARM…羽剣」

チェスのピアスが光り、チェスの背に剣でできた翼が生える
その翼はよく斬れるが、飛べない

「速度と切れ味…合わせればかなり危険ですね。でも、君はいい実験台になりそうだ…」

「よけれませんよ…死んでください」

体が、光る
そして、高速で地を飛び、一瞬で蜘蛛の背後をとった
その数秒後…
蜘蛛の足から大量に鮮やかな緑の液体が飛び散る

「切られたこと、気づけました?」

「キ、キシャャャァァ!?」

蜘蛛は痛みゆえに暴れだした
しかし、チェスの攻撃はやまない

「このコンボ、直線にしか動けませんが何回も、何時までも切り続けますよ」

その言葉が終わる前に、チェスの姿が消え、かわりに、蜘蛛の周りに光線が見えた
一本一本の光線は直線だが、そのかずは膨大
鮮やかな鮮血が辺りに飛び散った
そして、蜘蛛の狂気にも満ちた鳴き声が木霊して、光線が止まった

「…っと、魔力を残して置かないと駄目ですね」

動かない蜘蛛を横目に踵を返した
だが

「!?」

「きしやぁぉぁっ!」

糸が固形となって、チェスの肩に打ち出され嫌な音を立てた

「まだ…動く…!?」

右肩を押さえながら驚きを隠せないチェス

「致命傷な外…!?」

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