第12話 恋するスケ番。乙女のハートは超合金!
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それから、茜は毎日の様にテニス部へと訪れ、先輩に弁当の差し入れをしていた。茜の差し入れた弁当をその先輩は美味しそうに食べ、その度に二人は楽しそうに語り合っていた。更にそれから数日後、遂には茜はテニス部へと入部し、先輩と楽しくラリーをするまでの仲になってしまっていた。
当然、その間、茜がスケ番グループと会う事も、地球防衛軍番長組の元へ行く事もなかった。その間、スケ番グループは茜抜きで活動を行う事を余儀なくされてしまい、かなりのメンバーが抜けてしまったのは言うまでもなかった訳であり。
同時に地球防衛軍番長組でもかなりの戦力低下を余儀なくされていた。茜とクレナイ番長を欠いたメンバーでゴクアク組の構成員との激戦は苦戦の連続であった。
と、言うのも茜を欠いた状態のメンバーだとてき面空中戦に弱いと言う弱点があるのだ。故に殆どの敵が空中戦を得意とする構成で攻めて来た為に番達は毎回苦戦を強いられている次第であった。
「何とかならねぇもんかなぁ?」
そんな事を呟きながら、今日もまたテニスコートの外れにある茂みに隠れるようにしてスケ番グループは茜の動向を探っていた。相変わらず茜は楽しそうに例の先輩とラリーを楽しんでいる。
その時の茜の顔はとても活き活きしていて、何処となく可愛いとさえ思えた。確かに、あのままであれば茜は普通の女子高生を送れるだろう。
だが、茜は列記としたスケ番グループのリーダー格であると同時に地球防衛軍番長組のナンバー2なのだ。彼女の損失は双方に置いてもかなりの痛手となる。
「でもよぉ、あたぃらじゃどうにもなんねぇだろう? それに、兄貴だってこの様だし」
そう言ってグループのメンバー全員が後ろを振り返る。其処には足を折り畳んで抱えるようにして座り、俯いたまますっかり意気消沈している番の姿があった。何時ものやる気が全く感じられず、彼の背中からはダークオーラすら漂っているようにも感じ取れた。
あの一件以来、番はすっかり沈み込んでしまい使い物にならなくなってしまったのだ。かと言ってスケ番グループが行った所で意味がない。番の時と同じく追い返されてしまうのが目に見えている。
さてどうした物か。それぞれが案を出すがその度に却下される。その繰り返しであった。
そんな事をしていた正にその時だった。突如町の方で激しい爆発音が響く。
「な、何だ!?」
「あ、あれは何だぃ!」
見ると、其処にはまたしてもゴクアク組の構成員が番町を襲撃している光景であった。右手にテニスラケット状のそれがあり、左手からは球状の物体を高速で飛ばし、ビルを貫通している。全体的に無骨で野太い感じの宇宙人であった。
「野郎、何時までも調子に乗らせて溜まるか!」
番は立ち上がり、例の宇宙人目掛けて走る。その
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