第五章
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「私向日葵大好きだから」
「我が国の国花だしね」
「モスクワで向日葵作るのは大変だったわよ」
「というか出来たんだ」
「その為にもビニールハウス作ったのよ。向日葵でも背の低い種類のしか作ることは出来なかったけれどね」
ビニールハウスの高さに合わせてだ、この辺りの制限は仕方ない。
「それでも作ってたから」
「そうだったんだ」
「けれどこっちはモスクワよりも暖かいから」
冬季オリンピックが行われる場所でもだ、流石にモスクワよりは遥かに暖かい。
「ビニールハウスなしでも作られるわね」
「向日葵作るんだ」
「作るわ、向日葵はいい花だから」
「それを作りながら農業も頑張るんだ」
「どっちもね」
こう笑顔で話してだった、ターニャははじめてゲンナジーと話した。ゲンナジーも名乗りそのうえで二人は知り合いとなった。
ターニャは早速空いている場所に向日葵の種を蒔いた、すると暫くして。
芽が出て来た、芽はすぐに大きくなる。
そして季節が進むにつれて向日葵は大きく高くなっていく、夏になると。
もうかなりだった、ゲンナジーよりも高くなっていた。彼はターニャが植えたその花を見上げてそのうえで言うのだった。
「あっという間だね」
「すぐに高くなるでしょ、向日葵って」
「うん、話には聞いていたけれど」
「ゲンナジーさんよりも大きくなったでしょ」
「凄い花だね」
驚きを隠せない声だった。
「ロシアの国花だけはあるよ」
「そうでしょ、それでね」
ターニャは空を見上げる様にして向日葵を見上げている、ゲンナジーよりずっと小柄なので首の角度はさらに高い。
「お花が咲くとね」
「ああ、向日葵の花が」
「凄いわよ、もう太陽が一杯あるみたいで」
「向日葵だからだね」
「そう、凄くいいから」
ターニャはゲンナジーににこにことして話す。
「見てね」
「うん、それじゃあね」
ゲンナジーはターニャのその嬉しそうな言葉に応える、そしてだった。
花が咲いた、すると本当にそこは太陽が無数にあった。
その太陽達を見せつつだ、ターニャはゲンナジーに満面の笑みで話す。
「これが向日葵なのよ」
「いいね、見ているだけで」
「そうでしょ、モスクワにいる時は毎年ね」
「これを見ていたんだ」
「これを見たくて園芸やってたの」
満開の向日葵達をだというのだ。
「勿論他のお花も育ててたけれどね」
「そういえば向日葵以外のお花も育ててたね」
「そうでしょ、今も育ててるわよ」
「園芸が本当に好きなんだ」
「そのせいか農業の方もね」
家の仕事、彼女の仕事であるそれもだというのだ。
「いい感じでね」
「やっていけてるみたいだね」
「ジャガイモ作るのも楽しいし」
「それはいいことだよ」
ゲンナジーは農家
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