第一章
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専守防衛
スウェーデンは他国を攻めない、そういう政策だ。
平和主義も掲げている、このことで知られている。
それでだ、日本のある学者この学者の名前を仮に交田員子としよう。
交田はヒステリックにだ、いつもこう喚いていた。
「女性の権利拡大!」
「平和主義!」
「日本は先の戦争で謝罪しなさい!」
「アメリカは間違ってるのよ!」
「慰安婦への補償を!」
実在しないと言われている架空の存在を現実のものだと信じているらしい、それでこんなことも喚くのだった。
「北朝鮮にも言い分があるのよ!」
「もっとね、女を大事にしなさい!」
こう四角い派手な眼鏡をかけた顔で主張する、髪は赤だかオレンジだからの茸の様な髪型になっている。
この交田が最も好きな話の引き合いに出すのがスウェーデンなのだ。
「日本はスウェーデンみたいな国になるべきなのよ!」
「揺り篭から墓場までよ!」
「専守防衛!平和主義よ!」
「日本はスウェーデンかスイスみたいになりなさい!」
「だから日本は駄目なのよ!」
その交田にだ、俳優の津上彦勝芸能界の長老と言われる彼が番組でむっとした顔で反論した。
「あんたそんなにスウェーデンが好きなのか」
「好きだったらどうだっていうのよ」
交田は津上にこう返す、喧嘩腰で。
「いい国でしょ」
「確かにスウェーデンはいい国だ、けれどな」
津上はスウェーデンについてこう言った。
「あの国はあんたが思ってる様な国じゃないよ」
「じゃあどういう国なのよ」
「あんた自衛隊が嫌いだけれどね」
このことは一目瞭然だった、交田は日本の極左の業病である自衛隊嫌いだ。自衛隊があるから戦争が起こるとさえ今だに思っている節がある。
そのことをだ、津上は言うのだ。
「スウェーデン軍は自衛隊以上の軍なんだよ」
「数が?」
「数だけじゃないんだよ」
津上は交田を見据えながら言う。
「人口の割合も国家予算での割合も」
「どうだっていうのよ」
「あそこは徴兵制だよ、しかも国家予算の二割位が軍事費なんだよ」
そこまでの予算がかけられているというのだ。
「社会保険と軍事費だけで国家予算の半分位が使われてるんだよ」
「そうだ、あんたそれを知らないのか?」
「スウェーデンの状況を」
「知ってるわよ」
他の番組のコメンテーター達も言うが交田は不機嫌な顔で返した。
「そんなことは」
「じゃあわかるだろ、スウェーデンは日本より凄い軍備の国なんだよ」
ここで津上はさらに言った。
「道路だって何時でも滑走路に使えるんだよ」
そこまで国防を念頭に置いているというのだ。
「ソ連、ロシアを警戒してるんだよ」
「ソ連をっていうのね」
「そうだよ、ソ連が何時来るかわから
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