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首縊り
第二章
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 その関羽ならとだ、呉も頷いたのだった。
「やって頂けるか」
「では、ですね」
「よし、関帝廟に行ってだ」
「お供えをしてですね」
「お願いしよう」
 それで納屋の鬼を退治して欲しいというのだ。
「そうして頂こう」
「それでは」
 こうして話が決まった、そのうえで。
 二人は屋敷から南京で特に大きい関帝廟に赴いた、お供えに服に絹、銀に菓子にとたんまりと持って行った、それを総て供えてからだ。
 二人で関羽にお願いした、そのお願いはというと。
「どうか我が屋敷の納屋の鬼をどうにかして下さい」
「お願いします」
 やはりこのことだった、このことを関羽に必死にお願いしたのだ。
 そのうえで家に帰りだ、呉は茶を飲みながら妻に問うた。
「これで大丈夫だろうか」
「そう思いますが」
 こう返す妻だった。
「後は関羽様次第ですね」
「関羽様なら何とかして頂くな」
「あの方は常に民の味方です」
 関羽は兵や領民には優しかった、このことからこう言われているのだ。
「ですから」
「そうだな、それではな」
 呉は関羽に期待することにした、そうしてだった。
 その夜は妻と共に寝た、すると夢の中で。
 赤い異様なまでに大きな馬に乗った長く立派な髭のかなり大きな男と妻と共に出会った、切れ長の目で顔は赤く見事な鎧と戦袍を着ている。その手には青龍偃月刀がある。その巨大な刃を観て彼も妻もわかった、無論他のものも観てだが。
「関羽様でしょうか」
「そうだ」
 その通りだとだ、馬上の男は二人に答えてきた。
「拙者が関羽雲長だ」
「関菩薩様ですか」
「そうだ、それでだが」
 関羽の方から言って来た。
「拙者を呼んだ理由だが」
「はい、実は」
「今当家の納屋に」
 二人は関羽の前に平伏して事情を話した。
「首を括った女の鬼が出まして」
「その鬼を見ると見た者が首を括りたくなるそうです」
「ですからその鬼を何とかして欲しいのです」
「それでお呼びしたのです」
「ふむ、その鬼は縊鬼だな」
 関羽は二人の話を聞いて言った。
「厄介なものがいるな」
「縊鬼ですか」
「あの鬼はそういうのですか」
「そうだ、鬼といっても色々だが」
 関羽は二人に話していく。
「縊鬼はその中でも最も厄介なのだ」
「それはどうしてでしょうか」
「自害して鬼になるとそれは恐ろしい鬼になることが多い」
 関羽は呉に話していく。
「その中でも首を吊って死ぬとだ」
「とりわけなのですか」
「そうだ、首を吊って死ぬとその苦しみはかなりのものだ」
「そういえばそんな話も」
「聞いたことがあるな」
「はい、何処かで」
「それは本当のことだ、首を吊って死ぬと苦しみ抜いて死にその間に怨みはかなり大きく深いものになるのだ」
 呉に応
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